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 雪月花 季節を感じて

       今月の俳画の画題は「かぼちゃ」でした。かぼちゃは三秋(初秋、仲秋、晩秋)の季語だそうですが、八月初旬のお教室だったせいでしょう、お手本には夏の句「日焼けせし裸の子らにむかへられ」(香雲会句)がありました。「冬至かぼちゃ」として、年末にも使える絵です。  食べものを描くとき、? 下のほうに描かない、? 絵の真上に文字を置かない、の二点に留意しなければいけませんのに、色紙におさめたときつい文字が上にきてしまいました。はがきでも、短冊でも、文字とのバランスがむつかしい絵です。  「かぼちゃ」...

       毎年楽しみにしているご近所の庭の酔芙蓉が開花しないうちから、すっかり秋の長雨の様相です。夏の間活躍した扇風機も、部屋のかたすみでひっそり。雨音をききながら、読書の秋は何を読もうかなぁと思案中です。  旬をすぎてしまったお菓子ですけど、残りのつぶあんで水ようかんをつくりました。上品な甘みとつるりとしたのどごしが後を引きます。夏にかぎらず、一年中常備しておきたくなるおやつです。  凝固剤はアガーを使います。透明感・光沢・やわらかさにおいてはゼラチンや寒天よりすぐれているので、水ようかん...

       昨夜は激しい雷雨ののち急激に気温が下がり、つめたく冷えた風は草の匂い、蝉の声は消え、虫の音が高らかに聞こえた夕べでした。今朝はまるで高原にいるようなさわやかさです ^^  八月も残すところあと十日。子どもたちの夏休みも、北京オリンピックも終盤です。秋の気配を身近に感じると、「そろそろ、夏を送らなきゃ」というきもちになります。毎年とくべつなことをするわけでなく、お線香を焚いて夕涼みをしたり、手花火で遊びながら、この夏も元気にすごせたな、お出かけも花火大会も楽しかったな‥とおもいつつすごしま...

    4. 夏野菜 
       わが家の夏の定番料理、ラタトゥイユ。義父母の畑の野菜でつくっています ^^  トマト、ピーマン、なすび、紫たまねぎ、それにきゅうり‥は主人が嫌うので、代わりにセロリを入れて食感を出します。きゅうりはぬか漬けにして、わたし専用のおかずに。ぬか床は元気です ^^  ラタトゥイユは仏南部地方の名物だそうですが、野菜の水分だけで煮込むヘルシーな料理ですね。クツクツ煮ながら「夏だなぁ」としみじみおもうんです。弱火で30分ほど煮たら、ゆっくり冷まして冷蔵庫へ。一日ねかせてからいただきます。ひんやり、...

       四 『平家物語』 をたずねて  『平家物語』が好き。八年前の五月、放火による大原寂光院の本堂焼失という衝撃的なニュースは忘れない。再建されたお堂を拝するべく、旅のおわりに平家滅亡後の建礼門院の隠棲地を訪ねることにした。  三尾は京の町からそう離れていず、「京に田舎あり」の感がつよいが、大原はいまなお「かくれ里」の趣きがある。車道がなければ、黒木をかついだ大原女が歩いていてもおかしくないようにおもわれる。  乗客のほとんどはバスを降りるといっせいに三千院をめざす。が、わたしたちは反対...

       三 文化都市の条件  東京好きの京都人が、「東京は日本の経済都市、京都は日本の文化都市である」という。少々腹立たしくはあるが、京都好きの東京者としては肯定せざるをえない。最近の京都に失望することはすくなくないが、京都を焼き尽くした先の戦い(京都人にとって、五百年以上前の応仁の乱のこと)以降も、京都人はしたたかに生きつづけ、禁裏が東京に遷ったのは一時的なできことであり、王城の地はいまもここであると信じる人たちが、遷都後の京を支え、根こそぎ文化を失うことを防いだ。「信じる」ということは、存続...

       二 ひとめ惚れ  時折訪ねるうつわのお店のご主人は、買い付けのためにしばしば京都へゆかれる。ある日「初めて東寺へ行ってみたのですが、よかったですよ」と目を細め、まだならぜひ行ってごらんなさい、とすすめていただいた。  東寺(教王護国寺、世界遺産)。といえば、京都を舞台にしたテレビ番組にかならず映るあの五重塔。新幹線の車窓に五重塔が見えると、「また京都に来た」と期待感はいっそう高まる。ところが、それですっかり東寺を見た気になっているのは、きっとわたしだけではないとおもう。東寺のことは、五...

    一 山寺もうで  この夏は、知人友人、あるいはそのご両親に心配ごとが多い。温暖化は、すくなからず人体にも影響を及ぼしているのかもしれない。そんな中、ご自身の体調すら不確かなのに、病ともいえない理由で入院したわたしを気遣い、わざわざお寺へ足を運び、観音さまやお薬師さまに手を合わせて回復を祈り、励ましてくださった方たちがいる。頭が下がるおもいでいっぱいである。  今回は、京都に着いたらまず山寺参りと決めていた。朝早い新幹線で入洛し、荷物を預けてすぐに山行きのバスに乗る。できれば大原野の里や花背く...

       東京は真夏日がつづいていますものの、湿度が低いせいか、木陰に入るといくぶん暑さもやわらぎます。かまびすしい蝉の声には、こちらも負けじと元気になれます。かれらのごく短い地上での生を知っているからであり、ようやく暑さに体が慣れたせいもあるでしょう。また、記録的な猛暑がつづき、各地で突風や大雨の被害が出る中で、「何かおかしい」と感じながら、夏が夏らしくあることへの一種の安堵感であるのかもしれません。  今日から八月。旧暦は文月となり、もうしばらく暑い盛りですね。  うちわの消しゴムはんこで、...

       「仲良き事は美しき哉」。(武者小路実篤)  これは、実篤が自身で描いた野菜や花などの絵につけた賛のひとつ。であることは、ご存知の方も多いでしょう。アメリカン・チェリーの俳画を復習しながら、ふとこの言葉を思い出しました。  あるとき、主人がこの言葉を口にしましたのです。それがいつのことだったか、どんな状況下でのことだったかも思い出せないけれど、そのとき、なんだかとってもうれしい気持ちになったのを覚えています。  おだやかな性格で、物事に静かにじっくりと向き合う主人。急がず騒がず、怒らず...


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