HOME   |   ベルメゾン   |   セシール   |  
 
書 籍 C D DVD ゲームソフト エレクトロニクス ソフトウェア ホーム&キッチン ホ ビ ー
 
言語的思考へ- 脱構築と現象学 
哲学的思考 フッサール現象学の核心 (ちくま学芸文庫) 
人間的自由の条件―ヘーゲルとポストモダン思想 
完全解読 ヘーゲル『精神現象学』 (講談社選書メチエ) 
はじめての現象学 

  
 
 近代哲学再考―「ほんとう」とは何か-自由論-
近代哲学再考―「ほんとう」とは何か-自由論-
 
¥ 2,205
発売日:2004-01
径書房
オススメ度:
通常24時間以内に発送
 


 


■  自由の先にあるもの
「現象学入門」を学生時代に読んで以来、竹田青嗣さんのファンです。

この本は、宗教や血統などの大義名分で成り立っていた国家の存在意義を、「個人の自由」と、個人間の自由の衝突を制御する「機能」の役割を担った機関であるべきと「国家の存在意義」を定義したルソー・カント・ヘーゲルなどの先人達の遺産を改めて再評価した本です。

我々日本人含め、先進国住民にとっては、これは当たり前の原理として日常に埋没してしまっている概念ですが、発展途上国や旧社会主義国の住民にとっては、この原理は「貧困の克服」「人種問題の克服」が優先されている結果、未だ明確な大義名分として成立していないように感じます。

一方、我々日本人は自由社会における「生きにくさ」も実感しており、「やりたいことが見つからない」「よるべき価値が見当たらない」という贅沢な悩みを抱えています。そのために天皇や宗教などの「超越的価値観」を頼りにしたり、「環境保護」「社会奉仕」など、誰からみても批判の対象にならないような価値観を頼りにしたりする人も多く出てきています。

「自由」の先にあるもの何なのか?考えさせられた本でした。

■  近代社会における「自由」とは何か?
本書はいわゆる過去の哲学者の思想を概観する「解説本」ではなく、一連の思想の流れから、近代という時代がどのように生み出されてきたのかを非常にわかりやすい論調で考察していくれっきとした「哲学書」である。

近代の人間が当然のように考える人間の自由や法というものが、あくまでも思想の発展により初めて到達した新しい「発見」であり概念である、ということを、プラトンの国家論から始まってロック、ルソーそしてヘーゲルの歴史哲学を参照しつつ論理展開して行く。

「哲学は何も小難しい概念を悪戯に弄ぶものではなく、より普遍的な説明を求めて進めていく思想方式の一種」であり、それは科学に通じる或いは科学の営みとなんら変わりはないとする筆者の主張は非常に斬新である。また、その言が示すとおり、非常に示唆に飛んだ内容について書かれているにもかかわらず、極めてわかりやすく解説が進められて行くため、ストレスなく読み進めることができる。また、過去の哲学者の思想についても、平易に、そして巷で誤解されている解釈を払拭するように筆が進められて行くため、読んでいて新鮮な発見も多くあった。

近代人が追い求めた自由という思想はどのようにして生み出されたものか、そして今後どのような道を人間は進むのか。本書を読めば、「哲学思想」が机上の言語パズルではない、ということが良くわかるはずである。

■  近代哲学の本質を専門家以外にも理解させてくれる名著
哲学を、その本質を外さずに専門家だけではない人にも理解させてくれる竹田さんの本にはいつも感銘する。この本もまた、近代哲学の本質をとても素直に捉えることができました。この本の内容を著作内のポイントとなる箇所からの引用で概説すると次のようになるだろう。近代哲学を、特にルソー、ロック、カント、ヘーゲル、ニーチエから彼らの思想の主旨を受け取った上で再考すると、近代と言う時代の本質は以下のように語ることが出来る。先ず、地球に生きるすべての人間の「自由」の自覚にかかわることである。この自覚は、いったん「超越的な威力」の本質が理解されるや動き出し、決してあともどりできない形で展開してゆく。つまりそれは、「自由」と「ほんとう」という存在可能性へとめがける、人間の歴史の根本的な動因である。

■  「哲学」再考 または、驚くべき哲学の野望
題名は「近代哲学再考」ですが、内容は「哲学再考」と言ってよいものです。

哲学とは、「一体何を目的とした営みなのか?」「七面倒な理屈をコネ
て何を成し遂げようとしているのか?」その動機、本質が物語的な語り口調によってよく分かるようになっています。

哲学とは「本当に素晴らしいこと」とは基本的に無縁な、消耗した生活を強いられる大勢の人々(含む私)に、大きな、そして持続的な励まし、希望を与える力を持つものであるからこそ、あんなにも難解なものであるにも関わらず今日まで続いてきた、ということを理解させてくれる本です。

哲学はかなり壮大な野望を持っており、またそれを現実化してきた歴史があるので、その意味では「現実」「芸術」「恋愛」等に負けず劣らずエキサイティングなものだ、ということも感じさせてくれます。


■  滝に打たれて・・・
自らの理性が絶対ではないことを理解しつつ、それでも行動し結果についての責任を負う。もしヘーゲルの意図が著者の説の通りであれば、なぜそれだけのことを難しく長く必要があったのか謎ですが、世界観、身近に言えば会社の中での派閥争いなど、信念対立をどうするかという問題は切実で、今のところ有効な考え方がないのも事実。

ヘーゲルの奥儀を進めれば、結果責任を負う精神的な強さを如何に滋養するかという問題になりますか。これを失敗を許容できる社会や会社とすると只の理想と化しますから・・・。


 
 
 
 
  
Copyright @2006 myminty.com, japan. All rights reserved.