| ワトソンの「二重らせん」がベストセラーになったせいもあり、不運な暗いイメージのある女性科学者ロザリンド・フランクリンの生涯を丁寧に追った本です。 自分のデータをワトソンやクリックに勝手に利用され、それも知らず(知らぬふりか?)に後には彼らと共同研究するフランクリンですが、本書を読むと、フランクリンは不運な一時期を除いて、優秀な研究者として認められ、楽しく生きていたことが分かります。実際、業績はすばらしいと思います。(フランクリンの死後、ワトソンやクリックがフランクリンについてあまりよく言わないのは、やはり後ろめたさとそれ故の自己保身の気持ちがあるせいではないかと思い当たります) DNAの構造発見をめぐっては、フランクリンの堅実な研究者としての姿勢と育ちの良さが自分を不利にしたのですが、大きな研究の流れの中ではその不運も小さなことに感じられます。おそらくフランクリンにとってはノーベル賞も大したことではなかったのでは、と思われます。どんな境遇でも自分を貫いて成功した科学者の一人という印象を受けました。 |