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 PURE DYNAMITE―ダイナマイト・キッド自伝 (BLOODY FIGHTING BOOKS)
PURE DYNAMITE―ダイナマイト・キッド自伝 (BLOODY FIGHTING BOOKS)
 
¥ 1,890
発売日:2001-09
エンターブレイン
オススメ度:
 


 


■  夢をありがとう!
 1981年にプロレス界に天才が現れた。彼の名はタイガーマスク。彼のライバルであり、デビュー戦を飾ったのはダイナマイトキットである。当時小学生であった私は、タイガーマスクの空中技に目を奪われて、ダイナマイトキッドの直線的なパワーとレスリングセンスに純粋な感動を覚えていた。

 しかし、彼の生き様はブラウン管で映し出される華やかな世界の裏に、孤独なビリーウィリントンとしての生活があった。
 彼がプロレスデビューし、アメリカに渡る時、手に握り締められていたのは20ポンド(日本円で8000円程度)だった。

 カナダカルガリー地区で頭角を現し、主戦場を日本にしていた時もあった。彼は、過酷なサーキットと、長身レスラー・巨漢レスラーと互角に渡り合うためのパワーを身に着けるため、禁断の薬「アナボリック・ステロイド」に手を出し、眠気覚ましの薬物乱用、そして、疲れた体を強制的に眠らせる睡眠剤と、金を稼ぐために、肉体を酷使し、薬によって維持していた。

 彼は家族を守るために試合を続け、高級住宅も、裕福な生活も手に入れた。その半面、試合による衝撃が肉体に蓄積し、さらに薬物により肉体が蝕まれていった。そして家族さえ失った。彼が自宅に帰ったら、机の上にはイギリス行きの片道チケットが残されていた。財産はすべて家族に残した。そして、18ポンドを片手にイギリスから彼は、ほんの数ドルを持ってイギリスへ帰ることになる。
 「暴露本」と「真実の本」とがある。これはまさに、ビリーウィリントンの真実の本である。彼はショービジネスのある意味犠牲者であり、それが資本主義の現実である。

 今彼はイギリスで車椅子生活を送っている。その姿も間違いなく、僕らに夢を与えてくれたダイナマイトキッドの姿である。華やかなショービジネスの裏には搾取される者、搾取する者が存在する。人間らしく生き続けていく姿を反面的に学ばされた一冊である。


■  ダイナマイト・キッドの代金としては格安だ。だから買え!
 初代タイガーマスクは素晴らしいプロレスラーだった。
 しかし、どれほど素晴らしいプロレスラーであったとしても、対戦相手に恵まれなければ素晴らしいプロレスは生まれない。
 ブラック・タイガー、小林邦明、そしてダイナマイト・キッド。そういう意味で、初代タイガーマスクは幸せだったといえるだろう。

 しかし、最大のライバルであったダイナマイト・キッドの払った代償は、心身ともにわたりあまりにも大きかった。
 だから、この本の内容には言及しない。彼がステロイドをやっていることなど、その身体の膨らみ具合を見れば一目瞭然だった。

 ただ、ダイナマイト・キッドというプロレスラーを見せてもらった代金として、この本を購入した。初代タイガーマスク世代のプロレスファンは、必ず買ってほしい。あれだけ楽しませてもらった代金として1800円。安いものじゃないか。


■  はい。
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■  肉体を酷使するプロレスラーの人生がおく伝わってくる
タイガーマスクの好敵手だったダイナマイトキッドの自伝。タイガーマスクのブレイクには、彼の妥協無きファイトが不可欠だった。キッドはそのファイトのために、ステロイドやドラッグに手を出し、背中や首の負傷と戦い、最後には、歩けなくなってしまった。ファンからの喝采の陰で、自らの体を酷使するプロレスラーの生き様が伝わってくる。

プロレスファンにはおなじみの名前がたくさん出てくる。一般の読者にはなじみが薄いが、その部分を読み飛ばしても十分、面白い内容だ。
ステロイドの恐ろしさもよくわかる。
プロレスは、真剣勝負ではないが、自らの肉体を酷使するエンターテインメントである。そこで働くレスラー達の考え方や人生を垣間見ることのできる好著だ。

ギャラの額やレスラー仲間のやりとりまで、詳しくプロレスの裏側がわかる本だ。


■  爆弾小僧の過激な半生
昭和プロレスにおいて、藤波辰巳やタイガーマスクらと数々の名勝負を残しながら、その余りにも過激なファイトスタイルのために、人生半ばにしてまともに立つこともできないぼろぼろの身体になってしまったレスラー、ダイナマイト・キッド。彼に触発され、そのファイティング・スピリットを今へと受け継ぐレスラーの数は多い。そして今、ひとつの時代に強烈な印象を残したプロレス界の伝説がついに自伝を発表した。

この自伝を覆いつくすのは、自らのレスラー人生に対する強烈なまでの信条である。彼はどんなに観客の少ない会場であろうと常に全力で試合に臨んだ。痛みで身体が悲鳴を上げていようと、鉄柵に振られれば鉄パイプが歪むほどにぶちあたり、コーナーポスト最上段から危険なダイビング・ヘッドバットを敢行した。そして、試合を重ねるごとに確実にダメージが体内に蓄積されていった。

我々ファンを魅了したその研ぎ澄まされた剃刀のような肉体が、実はステロイド常用によるものであることも自伝の中で暴露されている。そして、薬の副作用で感情の爆発が抑えられずに起こした問題の数々についても赤裸々に語られている。いつかまともな身体にはなれないと分かっていながら、彼は命を削るような激しいファイトスタイルとステロイドの常用を選び続けた。
今では再起不能な身体になり、車椅子の生活を余儀なくされているダイナマイト・キッド。それでも生まれ変わったら、きっとまたプロレスラーの道を選ぶだろうと彼は言う。その言葉には全力で物事にぶつかる男の意地とプライドとこだわりがある。読み終えた後、猛烈な感動に襲われて目頭が熱くなる本である。


 
 
 
 
  
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