HOME   |   ベルメゾン   |   セシール   |  
 
書 籍 C D DVD ゲームソフト エレクトロニクス ソフトウェア ホーム&キッチン ホ ビ ー
 
「困った人たち」とのつきあい方 (河出文庫) 
なぜ日本人は日本を愛せないのか―この不幸な国の行方 
人間この信じやすきもの―迷信・誤信はどうして生まれるか (認知科学選書) 
日本 権力構造の謎〈下〉 (ハヤカワ文庫NF) 
第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい (翻訳) 

  
 
 人間を幸福にしない日本というシステム
人間を幸福にしない日本というシステム
 
¥ 1,835
発売日:1994-11
毎日新聞社
オススメ度:
通常24時間以内に発送
 


 


■  もはや古典 後半はやや陳腐化するほど
 具体的な、後半部分がやや現時点で読むと、目新しくなく、15年前はそれほどに衝撃的であったと 思わされます。
 日本を外から見た場合の目線というものを、直球で投げかけられるのは心地よいものです。
 

■  日本の現状を読み解く良書
進んだ西洋のジャーナリストが、無知で奴隷のような日本人に民主主義について説教する本です。日本は経済的には世界のトップクラスになりましたが、市民社会という面では江戸時代と変わらない状態にあるようです。

著者の描き出した日本の現状はいままで知らなかったことばかりで、なるほどこの説明なら今の日本の状態の説明が付くと思えます。ただ、具体的な証拠が十分に挙げられない(証拠を出すのが難しい内容ですが)ままに論考が進んでいってしまうので、実際そのとおりであるかは保留をしたまま読み進めることになります。ひとつの有用な仮説としてこれから社会を見ていこうと思います。

著者は、西洋のような民主主義(市民社会)を日本にもたらそうとしていますが、著者の言う「市民社会」は日本には存在したことがなく、これからも余程の大きな問題が起きない限り市民が立ち上がることはないと思います。希望があるとすれば、メディアが官僚や企業の不正をどんどん暴いていき、国民がそれを支持してゆけば変わる可能性もあるのではないでしょうか?また、最近の官僚や警察の所業を腹立たしく思っている人は多いと思うので、その辺りから問題意識を持つ人が増えれば変わってゆくのかもしれません。まずは、関心を持つことが大事なのでしょう。

■  憎悪からくる鋭い直感と偏見
本書には、官僚を中心とする日本社会についての、直感的だが鋭い分析がある。そういう部分からのみ学べば良いのだと思う。「幸福」云々という曖昧で多義的概念を使った説教がましいところは無視してもいいと思う。
また著者の経歴を見ると、数百年の歴史を誇ったアジアの「オランダ帝国の栄光」が、日本軍に赤子の手を捻るように轟沈された怨恨の念を、いまだに抱えているらしい。怨恨には警戒感も混じっているようだ。

■  日本を変えるなら、誰にでもできる方法で
日本を悪くしたのは官僚である、一般市民は官僚支配に対抗せよ、という主旨のようですが、一般市民にそれを求めるのは酷です。生活がありますからね。いままでの戦後日本をリセットしてやり直すなんて現実味がない話で、そこは飛躍しすぎではないでしょうか。確かに日本には変なところがいっぱいあって、将来も明るくないのでしょうが、この本を読んで分かったつもりになるのは危険だと思います。ヨーロッパが理想的な大人の国で、日本はまだまだお子ちゃま、とでも言うような書き方にも疑問を感じます。でも、ヨーロッパには漠然とした憧れがあるので、本当に憧れるに値する存在なのかは今後の個人的課題です。

■  筆者の記述には押さえられない苛立ちが感じられる
 行政や官僚の腐敗や、あまたの非効率な組織・団体の存在理由というのが初めて理解できる。政治や行政の仕組みに個人的な興味が向かなかったせいもあるが、それすら権力の真の構造に目がいかないように目隠しされていたのだ、という事実を本書で知ることができる。政治音痴というよりも、政治無知であることを眼前に突きつけられる。「菊と刀」「日本人とユダヤ人」などと並んで、「日本人という自分はどういう人間であるのか」と言うことを教えられる本だ。しかし本書を読むだけでは、現状の事実を自分で読み解く力は養われない。知識が増えて、何かを分かった気持ちになるだけである。(これは特に優秀な頭脳を持った人ほど顕著だろう。世の中に溢れるベストセラーの経営指南書、マネジメント本、英語自習書、各種HOW TO本が良い例だと思う)

 本書では実践として日本人に行動を要求している。1994年に上梓されてベストセラーになったとは言え、この国の改善は「遅々として進まない」と言うよりも、むしろ「何もしていない」。日本を変えるのは日本人であること、「しかたがない」では済まされないと言うことを、もっと真摯に受け止めて行動に移さなくてはいけない。KAIZENを武器にグローバルな生産マシンと化した国が、実際には満足に軌道修正できない非効率な国家であることを恥じて、荒療治をすべきなのだろう。当時でさえ筆者の記述には押さえられない苛立ちが感じられる。


 
 
 
 
  
Copyright @2006 myminty.com, japan. All rights reserved.