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 呪の思想―神と人との間
呪の思想―神と人との間
 
¥ 1,890
発売日:2002-09
平凡社
オススメ度:
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■  文字を媒介として過去を知る
白川静と梅原猛の対談です。梅原猛が聞き手になって白川静の仕事と思想を聞き出しています。■白川氏によれば「文字の中に形象化された、そこに含まれている意味というものを、その時代のままで、今我々が見ることができる訳です。だから三千年前の文字であるならば、その三千年前の現実をね、見ることが出来る。」■文字は神との交流手段として生まれた。古代は悪霊がいっぱいいるシャーマニズムが濃厚な世界だった。なんでもないような文字も全部神や霊や呪などと関係がある。たとえば「道」という文字は、「支配の圏外に出るとき、異族神を祓うために、生首を持って進む、という字形だ」など。■話が面白いので、つい受け売りしたくなると思います。

■  面白い古代史本
中国古代を文献から追求している白川氏と、
遺跡を発掘している梅原氏の対談。共に第一線で
活躍している方だけに、話は臨場感があって素晴らしい。
いつもは難解な白川氏も、話はえらく分かり易い。
・・ただ、話が余りにも面白すぎてそれが本当かどうか分かりがたい
のが難点といえば難点。

■  百済慣用語がかなを産む
別冊太陽が特集した「白川静のすべて」に掲載された梅原猛聞き手の対談を「呪の思想」と題して出版された。

呪には、ふたつある。ひとつは、大和王権という武力勢力によつて侵略占領された日本列島先住民の怨念であり、ひとつは、韓半島での新羅制覇によつて百済・高句麗からの逃亡渡来人となった人たちの怨念である。かなが日本文化の独自性をあらわしてきたといわれ続き的たが、今回の対談で、白川は「かなは百済慣用句からうみだされたものだ。」と発言。あらためて、渡来人たちの日本文化形成への寄与を確認することとなつた。はたして、かなは哀しみか、それとも、呪の隠蔽か。
 単行本になつて妙に編集者の登場の多いことが気になる。実際に三人で話したとしても、ふたりの対談としてしあげてい!!!くことが編集者の任務ではなかろうか。この編集者には中井英夫「黒衣の短歌史」の精読をおすすめする。

 最後に、「プロレタリアートの開放」という誤植があり、対談で語られた高和巳も30年以上の歳月を噛みしめたのではなかろうかと、想いを重ねたしだいである。


 
 
 
 
  
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