| 最初に2つの注意。1つ目は本書が魔術書『ソロモン王の鍵』の邦訳ではない事。(現在のところ邦訳なし)2つ目は『ソロモン王の鍵』とは本書にもある様に、『ソロモン王の大きな鍵』と『ソロモン王の小さな鍵』(別名レメゲトン)の2冊を指すという事。 本書の主要な内容はこの2冊を基礎にしつつ、(1)「魔術を今日実践する為の方法」と(2)「レメゲトンの72悪魔の紹介」の2つであるといえます。 まず(1)から。「今日実践」する事を優先した結果、煩雑なものや今日では不可能なものは削除され、コンパクトな実践法の紹介となっています。その為に即座に実践できそうな反面、実の魔術書から遊離した憾みがあります。『ソロモン王の鍵』の正確な内容を知りたい、という人には不向き。ただし、特に力を入れて記載されている図付きの「護符」関連の説明は実践を超えて参考にはなります。 次に(2)。いわゆる「ソロモンの72悪魔」の説明です。冊子媒体で一覧のもと見れるのは本書ぐらいですから、典拠としての意義はあります。ただし個々の悪魔の解説はかなり短いです。(原書の『レメゲトン』でも説明は短いのですが)それと悪魔の図版がついていますが、これは『地獄の辞典』(邦訳あり)からの引用です。 なお本書では魔術を「意識変容の技術」と定義して、ユングなどを提示しつつ今日における意義をそれらしく説明していますが、眉唾物です。後半で「魔術を使った相手の家でボヤ騒ぎがあった」などと書いており一貫性がありません。こういった記述は、一定の信憑性を持たせる為の定番の文句なのでネタとして読むのが基本だと思います。 結論。実際の魔術書の内容を知りたい人には★★★か★★、とにかく実践法を知りたい、という人には★★★★。 |