| 私は現役の外科医ですが、やはり医療事故寸前の、寿命の縮まる体験をしたことがあります。急性虫垂炎(いわゆる盲腸炎ですね)の手術中に突然患者さんの心臓が停止してしまったのです。すぐに強心剤に注射と心臓マッサージを施し、なんとか事無きを得ましたが、いまでもそのときのことを思い出すと冷や汗が流れます。 もしこの患者さんが死亡してしまったり、重篤な合併症が残ってしまったりしたとしたら、御家族は私のことを許さないだろうし、裁判になる可能性も高かったでしょう。しかし決して薬を間違ったわけでも、出血させたわけでもない、ごく普通に手術を行っていたときの出来事なのです(手術後に患者さんの心臓の精密検査を行ったのですが、異常無しでした)。 このように、手術には(たとえ盲腸でも)ある程度のリスクはつきものです。しかし現在のマスコミなどの風潮は、「結果が悪ければ、すべて医療機関の責任」といわんばかりであると感じます。 |