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犯罪小説家 
虚夢 
カラスの親指 by rule of CROW’s thumb 
誘拐児 
聖女の救済 

  
 
 告白
告白
 
¥ 1,470
発売日:2008-08-05
双葉社
オススメ度:
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■  見事!
終業式での、女性教師の「殺人者がクラスメイトにいる」と、なんともセンセーショナルな告白から始まる物語。娘を失った女性教師の平静は、常軌を逸した憎悪に満ちている。読者ははからずも「これから怖いことがおこる」ワクワク感の渦にはまるも、次行ごとにその期待をゆうに超えてしまうおもしろさの連続。一方では、こちらの思惑を裏切る、あっけない展開であったりする。著者はその筆致が相当にすごく、読ませる技に申し分がない。

殺人犯とそれに加担した人物、母親達、熱血教師やクラス委員などが登場する。その関係は、家族やクラスメイトであったり、教師と教え子といった互いに関係性をもちあわせてはいるものの、互いの思惑が点でバラバラなのである。まとまりのない互いの関係が、悪意を助長させ、人物たちにはどこか一定の距離と虚しさが漂う。

点でバラバラな人物達でも、これほどに面白い話ができてしまうのは、著者が「自身のまなこ」と「他者のまなこ」の視点といったように、人物の背景をうまく描ききった点ではなかろうか。それは丁度、ドフトエフスキーが物語の登場人物の背景に心を配り、最も筆をさいていたように。

とにかく、面白かった。完璧だった。見事としかいいようがない。買ってよかった!

■  良いと思います
ある事件を登場人物一人一人の立場から見ていて、人物像を掘り下げて行く感じと、他の人物ではわからなかった部分が見えて、かなり入りこみ、あっと言う間に読み終わりました。

■  重いテーマなのに、悪い意味で娯楽作品になってしまってる。
筆力があり、ストーリーテリングの才もあり、有力な新人登場という感じ。
作者が義憤(?)に駆られて書いているのがよく分ります。作者は、人の命をなんとも思わない残虐な少年犯罪・それを取り巻く大人達の対応、マスコミの煽り方、すべてに腹を立てているのでしょう。この物語の中で一番の悪人は、殺された少女の母親なのですが、彼女の手段を選ばない徹底した悪意は、作者のそうした義憤が変形されたものです。
でも、優れた文学作品は、どんなに悲劇的な救いのない物語を描こうと、そこにはなにか、祈りとでもいうような想い、未来への微かな光、人間の奥深さへの驚き、そうした読後感を読者に抱かせるものです。そういう意味では、この作品は優れた文学作品ではありません。読後感は、すごくいやーな感じ、に尽きます。もしかしたら、まったく逆に胸のすくような読後感を持った読者もいるかもしれません。
作者は雑誌のインタビューで、小説のヒロインとまったく同じ主張を口にしていました。
ちょっと表現は違いますが、一度落っこちて這い登った人間と、最初から真面目に普通に生きてきた人と、後者が偉いに決まってる。なぜマスコミは前者ばかり持ち上げるのか、といったようなことです。私はこの意見にまったく組しません。血がにじむような思いでフツーの生活を維持している人よりも、運命のめぐり合わせと本人の凡庸さからフツーに生きてるだけの人のほうが、世の中にはずっと多いのです。どっちがいい、悪い、といった事ではなく、やはりドラマがある方に人は注目するのです。この単純さが(偉そうでごめん)、よく出来た作品『告白』の限界をつくってしまっているのではないでしょうか。

 
 
 
 
  
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