南北戦争以後今日までのアメリカ史を、憲法の解釈が争われた 重要な事件に焦点をあてて綴った本です。上巻は、連邦と州の権限の問題や奴隷問題など、どちらかといえば アメリカ固有の問題が中心なのですが、下巻では司法審査の役割や プライバシー権の問題など、日本でも共通する問題が扱われています。 また、「明白かつ現在の危険」の基準や「現実の悪意」の法理、 アファーマティブ・アクションなど日本の憲法学説でも参考にされている 理論を扱った判例が紹介されているので、憲法を勉強している人にも 参考になるのではないでしょうか。 ただし、アメリカの歴史の流れの中で、最高裁が判決を通じてどのような役割を 果たしてきたかを紹介することが本書のテーマであるので 判例の理論の紹介はそれほど詳しくはありません。 もちろん、アメリカ史またはアメリカという国に興味を持っている人にも 参考になることは言うまでもありません。 上下巻を通して読めば、アメリカの歴史の流れの中で、最高裁が判決を通じて どのような役割を果たしてきたかを通史で概観することができますが 上に挙げたような現代的な問題に興味がある場合は 下巻だけを読んでも問題ないように思います。 |