| 著者はこの本と同趣旨のトレーニング用教本を、何冊も出しています。よくよく注意してみるとこれらの本はマイナーチェンジを重ねながらバージョンアップしており、訓練内容の細かな部分に新しいキーワードが出現していたりします。この本は、こうした一連の著作の中で、おそらくは最良の1冊と言えるるのではないでしょうか。 この本だけで速読をマスターできるように仕組まれているため、多数の教材から構成されています。この訓練を辛抱強く行えるかどうかは読者しだいですが、著者も書いている通り、使用する教材自体は速読教室で実際に使用されているものと同じもの、ということですから、この本はかなり「太っ腹」といえるでしょう。 注意すべき事は、この本のSRS体系の解説を「読みもの」として読んで終わりにしないことだと思います。一つ一つの訓練を実践してみる事。そして感じた事を記録していくこと、この努力が大事なようです。特に「共鳴呼吸法」と「眼球訓練」は毎日やっていると感覚の変化を実感できるようになります。 著者いわく、教室での速読講習でも「基本訓練として・・・指導します」(78頁)。 また、私個人の感想ですが、著者のいう「見る」という用語を、実体験として理解できるかが速読ができるかどうかのカギだと思います。著者のいう「見る」ことは眼球の周りの感覚とは殆ど関係有りません。「視線を細かく動かす」というのは、目そのものを動かそうとすることと殆ど関係がありません。大きな建物を見たときに感じる圧倒されるような感覚、バランス悪く積まれた本をみたときに感じる不安な感覚、森林浴をしているときの染みとおるようなさわやかな感覚、そうした「感覚」を意識しながら「視覚映像」を捉えることが「見る事」だと思います。私は今1分5000文字を読めるようになりました。この先の進歩が楽しみです。 |