| 日本で出版されているファシリテーション関連の本とは一風書いている内容が異なる。違ったことを言っているわけではないのだが、対象としている領域が違うのだ。 他書はファシリテーションを行うのに必要な要素を、特に手続き的な部分を中心に網羅的に押さえている一方、本書はファシリテーションにおける「対話」に焦点をあて、どのように対話を効果的なものにしていくかについて書かれている。その点からすると、「アジェンダは?」「誰を参加させる?」「どんなツールを使う?」などには目もくれられていない。 ただ、対話という要素はファシリテーションにおいてもっとも重要なものなので、得られる価値は非常に大きいと考える。対話といっても、推論の仕方からはじまって、発言や態度にどのような感情が隠されているか、という幅広い点について触れられているので、個々の要素だけ見ても参考になる点が多い。 対話への介入の仕方として6ステップある、と紹介されているのはよいのだが、どのような状況の介入の仕方馬鹿丁寧にすべてのステップを踏んでいるので、くどいと感じる部分もある(ステップ自体もかなりくどいが)。ただ、そうした点を差し引いてもファシリテーターを目指す人にとっては参考になることが多い一冊だと思います。 星五つ。 |