| 著者は米国の大学で非営利経営修士号を日本人として初めて取得。その後、米国と日本でNPOの経営コンサルティングを実際に行った経験を持つ。この本は、大学で培った理論と実際にNPOと接しての現場経験が生きている。 「寄付金が集まらない・会員が増えない」「優秀な人材が定着しない」「ボランティアのフォローが大変」などなど、NPOがつきあたる問題はなぜ起こるのかを理論的に解説し、解決策を実践的に提案している。多くの事例を見ているからこそ、NPOが陥りそうな落とし穴を良く見、分析していると感じた。 章立ての構成もPlan-Do-Check&Actionと並べるなどの工夫がわかりやすい。Planの章では、ミッションやビジョンの作り方の具体的なツボを押さえている。例えば、ミッションとビジョンがどう違うかの説明がわかりやすく示され、優れたビジョンの条件は「夢、ロマンがあること」「組織の強み、現状を把握していること」「現実的でわかりやすい到達点で見えていること」の3つをあげる。その上、具体的に「□□川の水質を改善し、2010年までにアユが棲める環境に戻す」という例まで親切に書いてくれているというぐらいに親切である。 企業とのパートナーシップの作り方やCSRなど時代の流れもしっかりおさえている。一読の価値有り。 しかし、実際には本を読むだけで問題解決ができるほど甘くはないことも現実のNPOとつきあっていて痛感する。そのあたりの分析や対応方法まで書いて欲しかった、というやや無いものねだりの希望を込めて、星1つ減らした。 |