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| | | ランチタイムの経済学―日常生活の謎をやさしく解き明かす (日経ビジネス人文庫) |
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暇なビジネスマンが読めばいい |
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| オーストリアの経済学者であるフレドリク・バスティアによると、「悪い経済学者といい経済学者を分かつものは、前者が行為や制度の結果のうちすぐに発生するもの、つまり「見えるもの」しか考慮しないのに対して、後者がその後発生するもの、つまり「見えないもの」も考慮するという点にある。」 こんな例え話が載っている。AがBの家の窓ガラスを割り、もちろんBはAに激怒する。しかしAはこう切り返す「私が窓ガラスを割ったからガラス屋は仕事ができた。もしだれも窓ガラスを割らなければガラス屋はどうなる?」と。ここでは「ガラスが割れた事実」を見えるものとして扱う一方で、見えないものすなわち「ガラスが割れなかったときの効用」、具体的にはガラス修繕費として出費しなければ他の用途に使えたであろう効用を無視しているのである。バスティアの分類に従うなら、スティーヴンランズバーグは「悪い経済学者」であろう。
まずすべてをアダムスミス的な市場観で語ってしまおうとするやり方が気に食わない。第8章「なぜ価格は善か」では、大気汚染をめぐる企業と住民の対立をとりあげ「工場を移転させるためにいくら支払いますか、あるいはいくらもらえば工場があってもかまいませんか」 と、大気汚染をめぐる対立が非効率な原因は「市場の不在」にあるとし、金銭的な問題に還元する事によって議論を解決しようとする。こういったやり方は実際の政策の現場や法整備を進めるときには非常に効率的なやり方である。しかし万物の価値尺度を網羅的に分析し、すべての効用を数値化しようとするこのような試みは、200年以上まえにベンサムによって行われそして失敗に終わった事を忘れてはなるまい。市場でない領域を理解するのに市場原理を用いるやり方には限界がある。ここでもやはり「見えるもの」を意識しすぎるあまり、「見えないもの」(具体的には人間の人格など)への配慮を欠いている。
非効率を「市場の不在」の責任とし、仮想的に市場原理を埋め込むという手法がどういった構造を生み出すか。それは市場が存在しない、もしくは必要としない空間にまで無理やり市場化を押し付ける権力と化すのである。いわゆる南北問題はそういった文脈で理解できる。あるいはサイードのオリエンタリズムのようなものをイメージし、効率性・合理性といった近代西洋の所産を、他の地域に押し付ける構図だと認識する事もできる。しばしば「支配」と「権力」は区別されるが、後者はその「権力」が「見えない」事が特徴であるを思えば納得がいく。
学問というのはそれぞれ得意とする環境がある、専門分野に没頭するとこの事実をしばしば忘れがちになる。しかし経済学や今はやりの心理学、社会学などは社会を考察する際にその切れ味がよすぎるため疑問を抱く暇さえ与えない。学問というのは自身の射程距離を絶えず認識することが肝要なように思える。異常なまでの科学信仰の中、プラグマティックな人気を誇る経済学が一見正当かのような論理だてを行うとすぐに正当性を持ちえてしまうのだ。絶えず「本質」を見つめる努力を怠ってはならない |
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偏りすぎと思われます。 |
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| 間違っても「ランチタイム」に気軽に経済学の知識を得られる書籍ではありません。正しくは「ランチタイム」に経済学者が素人の経済学的無知を語り合ったという意味の題名です(監訳者がそう書いています)。しかもその無知は「シカゴ学派又は共和党」から見て無知という意味で、普遍的な無知の定義が得られる訳でもありません(もしそうなら無知を馬鹿にされる甲斐もあるのですが・・)。
素直な人は24章を読み通したころにはガチガチの「小さな政府・規制緩和」論者になっているでしょう(サムペルツマンも出てきます)。アメリカですぐ共和党員として活動できるはずです。もし経済学派の異なる教義に属しているならおそらく序章、もしくは1章を読み終えたところでその不遜かつ露骨な論調にページを閉じるでしょう。
経済学者の例に漏れず、「合理的経済モデル」王国を作り上げ、自ら万能の神として君臨しています(自らが作り上げた世界ですので万能なのは当然です)。これまた例に漏れずその万能感を現実の世界に持ち込み、異教徒(異なる経済学派)と激しい聖戦を繰り広げることになる事請け合いです。決して世界の平和は訪れません。
本書で得た見識を用いるときは、著者の万能感に基づいた断定的論調まで誤って乗り移らないように注意しましょう。逆に著者の見識の足元をすくってみる方が良い経済学のトレーニングになるかもしれません。 |
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ちょっとした時間にリラックスして読める^^ |
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| 「どうして映画館のポップコーンは高いのか」 「シートベルトの強制で死者は本当に減るか」 「必ず売り切れるチケットを値上げしないのはなぜか」 という日常の疑問を、経済学的思考でもって理論展開していきます。 作者はスティーブン・ランズバーグという経済学者です。 「なるほど!」と思うときもあれば、「それはちょっと違うでしょう」と言いたくなるときもありますし、作者もそういう状況を想定し認めているので、頭の体操にもいいかもしれません^^ また和訳本ですから、英語的な言い回しがあって、一回ですんなりと頭に入ってこないセンテンスもあるのですが、きっと楽しく読むことができると思います。 全部で24章あるので、一気に読破することなく、ちょっと時間が空いたときにでも本を開いてみるのもいいかもしれません。 |
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