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 市場の倫理 統治の倫理 (日経ビジネス人文庫)
市場の倫理 統治の倫理 (日経ビジネス人文庫)
 
¥ 900
発売日:2003-06
日本経済新聞社
オススメ度:
 


 


■  発想法も勉強になるし、逸話も豊富。
プラトン『国家』にならって描かれる対話小説。

世の中にはふたつの倫理システムがある。
統治(政治)の倫理と、市場(商業)の倫理だ。
ふたつのシステムはそれぞれ一貫しており、両者を混同するとロクなことにならない。だが他方で、両者は相互に補い合っており、どう調和させるかが問題となる。

こうした問題が、四百頁を費やして論じられる。

とはいえ、文庫本で大きい活字の対話篇であり、散りばめられた逸話も面白いので、それほど読み通すのに苦労はしないだろう。
最近はやりの民営化・NPM(ニューパブリックマネジメント:行政への市場的手法の導入)に対する建設的批判としても読むことができる。

個人的に面白かった個所はいろいろあるのだが、一番笑えたのはマキャベリを引き合いに出した個所。そこで元編集者の話者は言う、マキャベリの教えを企業経営者に薦める書物を出版したのは間違いだった、と。なぜなら、統治の倫理と市場の倫理を混同することになるからだ(284-5頁)。世の社長のみなさん、お気をつけて。


■  なぜ、腐敗は起きるのか。なぜ社会主義は失敗したのか。じゃ、僕らはどうしたらいいのか。
〜市場を健全に保つための原則は統治の原則と相容れない、という点が出発点になっている。その点について承認していく登場人物の討論とそれによって想起される根本のあらゆる病巣もしくは希望。この本を日本人として読む面白さはまずそこに尽きる。一つの組織が双方を混同したり、同時に手をつけようとすると、腐敗が始まる。そういう事例は枚挙にいとまがない〜〜ではないか。では、どうしたらそういう事態を避けることができるのか。ジェイコブスが提示したパターンは2つ。もちろん読んでのお楽しみだ。本当に考えさせられる。再読しなくては。〜

 
 
 
 
  
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