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| | | 奇縁まんだら |
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本のジャケ買い。 |
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| 瀬戸内寂聴ってそれほど好きじゃないんだけど、本屋で表紙が目に飛び込んできました。で、本のジャケット買い。中身も良かったです。今年で86歳になる著者が、茫々の歳月のなかでめぐりあった「人との出逢いとおびただしい縁」を綴った交友録。顔ぶれがすごいね。島崎藤村から水上勉まで、いずれも歴史上に名を止めた21人の偉大な作家たち。それぞれの業績や行状、自分との縁、創作の秘話を、自らの長い道のりと並べて見ながら、健筆をふるっています。また、ハンサムな文人たちの美男ぶりを好色な目線で書き写したり、女流作家についてもその品行を包み隠さず記すなど、機知に富んだ筆致が快い。
作家の伝記は後世の人によって書かれることが多いけど、本人を直接知らないとき、第三者の証言をもとに作家像を再現するしかないですよね。その点、生の肉声を聞き、飾らない表情をじかに見た著者の臨場感あふれる描写には圧倒されます。作家たちはまるでよみがえったように笑い、語りあい、立ち振る舞っている。そこがこの本の最大の魅力ですね。さらに、横尾忠則による肖像画が、個々の作家の本性をみごとにとらえながら、存在の裏側にあるものまで描きだしている。文章との相性も抜群で、双方を代わる代わる眺めるのが実に楽しい。墨痕淋漓とした濃い口の随想集であり、読み応え十分の作家論だと思います。 |
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評伝を書かせたら右に出る者はいない |
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| 久々に先を読み進めるのが惜しくなった本。あまりの面白さに☆5つ。特に三島由紀夫、宇野千代、今東光、遠藤周作、荒畑寒村が面白い。特に色恋沙汰になると寂聴師の筆はますます生彩を帯びる。
寂聴師は以前宇野千代について、「付き合いのあった男が全部一流の男達ばかりで、宇野さんはその良いところをみんな吸収してますます美しくなられた。」と話しているのをテレビで見たことがある。寂聴師も似たようなものだろう。美しくなったというわけではないが、さまざまな一流の人達との交流が、こうした傑作を生み出したのである。
ともかく、「評伝」「伝記」を書かせたらこの人の右に出る者はいない。そう言えば「遠い声」「美は乱調にあり」「諧調は偽りなり」といった女性革命家達を題材にした作品や、「田村俊子」「かの子繚乱」といった女流作家達を扱った優れた評伝をすでに数多くものしていたのだった。 |
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人物論はかくあるべき |
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| 3月までは土曜、4月からは日曜に日経朝刊に掲載されている作家のエピソード集。
忌憚のない表現がそこかしこに見られるが、それぞれの作家に対する畏敬の念が根底にあり、ある種の清々しさを感じながらそれぞれの作家の本質を垣間見ることができる秀逸なエッセイである。平林たい子に「最後の文士」と言われてうれしく、誇らしく感じたとの下りがあるが、登場する作家は何れも文士である。また、男は美男しか扱っていないところが、らしいところだ。
作家の肖像を描いた横尾忠則の挿絵もすばらしい。
瀬戸内寂聴はマスコミに登場する際に衒いを感じ嫌っていたが、どうも本質を見られていなかった気がする。いくつか作品を読んでみようと思っている。 |
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