| 2000年、著者の松島庸氏は26歳の若さで上場企業「クレイフィッシュ」の社長となった。ところが、この栄光は長くは続かなかった。翌年には大株主光通信によって社長の座を追われ、さらには一連の光通信スキャンダルに巻き込まれ、追放されるまでを自身の手で綴ってある。ネットバブルもすっかり過去のものとなってしまった今、巨額の金をめぐる波瀾万丈のビジネスストーリーとして楽しめる。 松島氏はクレイフィッシュの内部分裂を率直に書き下ろしている。加えて、クレイフィッシュの元取締役、光通信の役員クラスを実名で登場させ暴露話に近い感じだ。2004年5月に「カネボウ化粧品」の会長兼CEOに就任し、元光通信副社長の余語邦彦氏についても触れられている。 皮肉なことに、そうした名指しの批判から、松島氏がなぜクレイフィッシュから追われることになったかよく分かるのだが。 「ビジネスで競争することはサッカーと同じで、同じルールでプレーしていると思っていた。でも、機関銃でプレーヤーを殺すような相手もビジネスの世界ではピッチに立ってしまう」日本のITビジネスはここから始まったといっても過言ではないだろう。 |