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 魔術師は市場でよみがえる―タイガー・マネジメントの興亡
魔術師は市場でよみがえる―タイガー・マネジメントの興亡
 
¥ 2,310
発売日:2005-02
東洋経済新報社
オススメ度:
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■  突飛な人間が率いた組織の面白さ
ジュリアンロバートソン率いるタイガーと言えば有名ではあったが、私にはジュリアンロバートソンという人物が今まで謎でした。知れば知るほど面白い人間だ。
やっていることの規模も勿論だが一つ一つのポジションを組むまでの執拗な調査は凄みがある。何ヶ月も調査した内容を昼食の間の5分で説明することが求められる組織。大学卒業したばかりの若者やスポーツに傾倒していた若者を採用していた勃興期から自分の保身ばかりを考える人が残るようになるまでの組織の変貌は読んでいてなるほどと感じてしまう。
なぜ、タイガー出身のファンド運営者がこれほどまでに多く現在成功しているのかがなんとなく肌で感じられる一冊。
「投資家がいなければ何も出来なかった。彼らの面倒をみるのは私の義務だ。」という言葉にジュリアンの気概が感じられる。

■  ジュリアンロバートソンの伝記。
本書はタイガー・マネジメントの本であるというより、ジュリアン・ロバートソンの伝記だと思う。タイガー=ロバートソンと言って間違いでは無いと思うが、ヘッジファンドに関する書物であるより人物記である。
ジュリアン・ロバートソンの名前は、ソロスのクオンタムファンドを一時期運用資産に於いて凌駕したと言われるヘッジファンド、タイガーマネジメントの運用者として、5年〜10年ぐらいにニュースなどで頻繁に目にしていた。しかしソロスと比較すると、その人物自身が日本に配信されるニュースに登場することは少なかったように思う。ソロスの方が特異であったのかもしれないが。
噂ではあったがあの時にあのマーケットで買っていたのはやはりタイガーだったのか、などと本を読みながら懐かしくマーケットを思い返すことが一番楽しい。彼が運用の世界から引退したわけではなく、現在も10億ドルを超える自己資産の運用を通じて関わり続けているということにも好感した。他の人物評を見たことが無いので本書は好意的に偏向している可能性はあるが、人生には金を稼ぐことより大事なことがあるという、成功者である彼のポリシーにも感心するし共感する。
当時から、そして今でも、今ひとつ茫漠とした部分の消えないヘッジファンドというものの理解について、人物とファンドの歴史を通じてかなり補完することができたように思う。人物記であるとしたが、ヘッジファンドに関する書籍としても、当時(今もときどき)粗製されていた無知な著者の書いたナンチャッテヘッジファンド本などと比較にならない、現実の現場を描いた興味深い本。
損失を出して市場からドロップアウトしたファンドの物語であるにも関わらず、本書の偏向もあるのかもしれないが成功伝として描かれていることから、巨額損失物の書籍のような嫌な読後感もない。

 
 
 
 
  
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