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 組織行動の考え方―ひとを活かし組織力を高める9つのキーコンセプト (一橋ビジネスレビューブックス)
組織行動の考え方―ひとを活かし組織力を高める9つのキーコンセプト (一橋ビジネスレビューブックス)
 
¥ 2,520
発売日:2004-04
東洋経済新報社
オススメ度:
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■  意気込みは伝わってくるが
第一章を読むと筆者の意気込みは十分伝わってくる。但し、その意気込みが内容にむすびついているかといえば首をかしげざるを得ない。

まずテーマ。組織行動と言っておきながら、その実は「組織から見た個人」「個人が組織で生きるためには」といった観点からのもので、集団行動の特性やグループダイナミクスなど組織行動学で網羅すべき項目についての一部が抜けている。

次に主張。最終的に筆者独自の理論構築までを目指しているようだが、その提示の仕方がいまいち見えにくい。それは、諸派の理論を網羅的に見た上で、同列で独自の理論提示を行っているから。これでは、結局筆者は何を主張したいのかわからない。

以上の理由から、組織行動学の教科書や入門書として使うのはあまりお勧めできない。やはりまだS.ロビンス著「組織行動のマネジメント」がこの分野ではベストだろう(古いが)。本書を読むと有益なのは、筆者と議論を戦わせたい、もしくは独自理論を構築する流れを俯瞰したい方に限られるのではないか。

■  時間があるとき
一般的な組織行動の著作は、社会心理学との間での考え方を抽象的に叙情的に書かれているが、この本は科学的にどう分析し、現在どの段階まで進んでいるかを捉えている。

時間があれば読めばよく、組織行動の入門書としてはお薦めしない。

他の本をたくさん読んでからでも遅くはない。でしょ、金井先生!

■  少し学術的?
過去の組織行動(学)に関する研究成果のまとめが主で、著者二名自身の論旨展開が非常に少ないのが残念。
「プロジェクトX」を題材とした組織行動の捉え方など非常に興味深い記述もあるので、もっと著者自身の考えが知りたかった。

■  教科書らしからぬ教科書
およそ学問の本で「面白くて、ためになる」ということを達成している本は少ないが、この本はその希有な達成例である。組織行動学の教科書として「も」使えるように設計されているが、教科書らしからぬ面白さだ。
組織行動学(Organizational Behavior:OB)は今や経営学の基礎科目であり、MBAコースの必須科目として課されている。筆者いわく、

「経営学のフェアウェイ(本流)にありながら、OB(アウト・オブ・バウンズ)というのは皮肉なことだ。」
…こういうユーモアが随所に見られるばかりではなく、コンピテンシー、モティベーション等々、今日の組織経営に関する最新の知見と深い洞察が生き生きと語られていて、実にエキサイティングな本である。

本書の「第一の想定読者層」であるビジネスパーソン、実務者にとっても決して敷居が高くない。具体的で身近でありながら、理論的学問的系譜をきちっと跡づけてくれるという点では、非常に親切である。現実をよく説明してくれるだけでなく、現場の実践に役立つ理論が、優れた理論であるというスタンスは、非常に共感できる。筆者が何度も引用するクルト・レヴィンの箴言「よい理論ほど実践的なものはない(Nothing is so practical as a good theory.)」というポリシーの実践である。


 
 
 
 
  
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