北極を競売にかける、という冒頭のエピソードは19世紀末という 北緯83度以上に到達した人がいない、という時代を感じさせます。 従って北極に陸地があるのかないのか、ということも分かっていないのです。それを落札したのが、アメリカ政府の代理として潜り込んだ 『月世界探検』のメンバーたち (本作の前作に当たる同書を読んでないので詳しくは知りませんが)。 世界中から石炭の発掘をエサに巻き上げた金で、 地軸の23.4度の傾きをゼロにする、というとんでもない計画を実行します。 口径27メートル、砲身600メートル、砲弾18万トンもの大砲を どうやって作ったのか、というところは、 しっかりとハードSF的ともいえる解決がなされているのには関心しました。 とは言え、最後まで読み終えてからの結論を言えば、 本作は昔としては長編の分量にしてはあまりにも脱力系なオチでした。 それがまた、味になっているのですが…。 |