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火刑法廷 (ハヤカワ・ミステリ文庫 5-1) 
グリーン家殺人事件 (創元推理文庫 103-3) 
白い僧院の殺人 (創元推理文庫 119-3) 
妖魔の森の家 (創元推理文庫―カー短編全集 (118‐2)) 
三つの棺 (ハヤカワ・ミステリ文庫 カ 2-3) 

 
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 皇帝のかぎ煙草入れ (創元推理文庫 118-11)
皇帝のかぎ煙草入れ (創元推理文庫 118-11)
 
¥ 630
発売日:2000
東京創元社
オススメ度:
通常2〜4週間以内に発送
 


 


■  古畑任三郎好きなら、楽しめると思います
 テンポのよいリズミカルな会話文から始まり、物語にスッと入り込むことが出来た。そして完璧に騙されてしまった。何が良いってトリックに気付きそうで気付かないということ。犯人の意図した通りにことが運び、運ばなかったという必然と偶然が重なったからこそ完成されたトリックでもあるのだが・・・。ただこのスレスレ感が激しいから、騙された。物語を客観的に見られる読者という立場にありながら、この物語に登場するある人物と同じ誤解をしてしまっていた。この人物が騙されていたことに気付かされる瞬間に、多くの読者も気付かされることだろう。ある一つの事柄の矛盾から犯人を追い詰めていくという謎解きは、古畑VSさんまのお話のようでもあります。

■  クリスティつながりで
クリスティつながりで初めてカーの作品を手に取りました。玄人好みの作家が大衆向けの作品を著した、という部分がファンからことに評価されているようですね。いつまでたってもミステリー入門書あたりをウロウロしている身としては、皆さんの濃いレビューにちょっと圧倒されました。

自分勝手な人がたくさん登場して、物語をかき回します。トラブルを生み出すその自分勝手な部分が、人間くさく、作品を魅力的なものにしています。でも肝心の主人公だけは、男性のファンタジーが生み出したような無味無臭の人物。そのためか、トリックや構成はわくわくするものの、主人公にひきずられ、無味無臭なぼんやりした読後感ばかりが残りました。時代、なのでしょうか。

■  本当にカーが書いたの?と疑問を持ってしまう(笑)
作者がわからないまま本書を読んだら間違いなく「ああ、これはクリスティの作品だな。さすがだな〜」と思ったことでしょう(笑)

カーの作品は一部の傑作を除いて、トリックもストーリーも大味なものが多いんです(良くも悪くも)その点、本作は心理描写の細やかさといい、微妙な盲点をついた心理トリックといい、とても「カーらしくない」作品だと思います。ミステリ的な部分から離れても、不遇な女性主人公と取り巻きの男たち、そして物語の幕の引き方もカーらしくなく、クリスティの初期作に類似している感があります。「クリスティが絶賛した」というのも頷けますね。

メイントリックはとても素晴らしい。ミステリやTVドラマ等で類似のトリックが幾度も使われているのがその証明と言えるでしょう。プロットはそれほど複雑では無いので気軽に読めますし、ミステリファンなら必読の一冊です。

■  カーの中では一番
カーといえば怪奇趣味+実際には無理っぽい不可能犯罪というイメージがありますが、本書にはあまりその傾向はないと思います。
そのせいか、個人的にはカーの中で1番好きな作品です。
トリックはシンプルなものですが、周囲の人間の思惑や心理状態などが、読みやすいのに良く描いてあります。
これからカーの作品を読まれる方には、本書からがおすすめです。

■  カーの技巧の極致
カーの特徴は、(1)密室を中心とした不可能犯罪、(2)オカルティズム、(3)ファースの3つである。ところが本作を読んで行くとどれも見当たらない。お馴染みのH.M卿もF博士も出てこない。ストーリーも下手な昼メロのようだ。これがカーの代表作 ? と思いながら最後まで読んでいくと、そこには驚天動地の衝撃が待っているのだ。

こんな発想ができるのはカーしかいないだろう。何が驚きかを説明するとトリックをばらすことになるので避けるが、とにかく読んでみて下さいとしか言えない。あのクリスティをして「さすがの私もこのトリックには脱帽した」と言わしめた、カーが持てる技巧を最大限に発揮した超傑作。

 
 
 
 
  
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