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曲った蝶番 (創元推理文庫 118) 
白い僧院の殺人 (創元推理文庫 119-3) 
火刑法廷 (ハヤカワ・ミステリ文庫 5-1) 
パリから来た紳士 (創元推理文庫―カー短編全集) 
妖魔の森の家 (創元推理文庫―カー短編全集 (118‐2)) 

 
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 緑のカプセルの謎 (創元推理文庫 (118‐9))
緑のカプセルの謎 (創元推理文庫 (118‐9))
 
¥ 735
発売日:2000
東京創元社
オススメ度:
 


 


■  目に見えない殺人者
カーの作品の中ではオカルティズムが出て来ない、毒殺がメインテーマになっている点で異色作。衆人環視の中で「緑のカプセル」によって演者が毒殺される。誰がどうやって毒を運んだのか ? 不可能犯罪性は健在である。

作品中で「密室講義」ならぬ「毒殺講義」が出て来るのもカーの稚気が感じられ、微笑ましい。冒頭で述べたようにオカルティズムが出て来ないで、スッキリとした進行なので読み易いと言える。解決も合理的で、カー・マニアならずとも楽しめる中期の傑作。

■  カー作品のなかでもバランスのとれた名作
ディクスン・カーは、実に不思議な魅力を持ったミステリ作家です。
「よくまあ、こんなトリック思いついて、しかもそれを作品に書いてしまったもんだ」という茶目っ気というか、おもしろ真面目のような心意気。
「読者の皆さん、どうです、びっくりしたでしょう?」という、読み手を何とかしてだまくらかし、引っかけてやろうというミステリ・スピリット。

さり気なく作品の中に置いた伏線の妙。
H・M(ヘンリー・メリヴェール)がしばしばやってのけるドタバタ、ファース的なユーモア。ドワッハッハのこりゃたまげたね、まいったねシーン。
そして、読み手を話の中に引き入れるリーダビリティー。わくわく、ぞくぞくさせられるストーリーテリングの冴え。読ませ巧者の名人芸。

ほんとにまあ、実に魅力的で心打たれるミステリマインドを持った作家だったなあと、にこにこしてしまいます。

そんなカーの、「こりゃ上手いやねぇ」と堪能させられるミステリがこれ、『緑のカプセルの謎』。フェル博士ものの作品。トリックといい、伏線といい、リーダビリティーといい、バランスのとれた仕上がりになっていて、読みごたえは十分。

「ミステリは大好き。でも、カーの作品はどうもアクが強くてアホくさくて、いまいち馴染めない」という方にお薦めしたい作品です。

本書を読んで「へえっ。カーのミステリ、なかなかいけるじゃない」と思ったら、ぜひ、名作『火刑法廷』や『囁く影』なんかも読んでみてください。


■  シンプルな毒殺事件
素人探偵が毒殺実演をしている最中に
あろうことか本当の毒を飲まされて頓死した
衆人環視の中どこで毒にすりかわったのか?

解決はすばらしくシンプルでカーの常に唱えている
目でちゃんと見ていても
心理作用によって事実と全く違うものが見えてしまう
という事象を説明しています


■  黒いサングラス
誰もが自分の目ではっきりと見ていながら
先入観が災いして
事件を感じることができない
目に黒いサングラスをつけて見ているようなものだ
という事件
毒殺講義もあり

■  読みやすい
読みやすさでは、「皇帝のかぎ煙草入れ」などと並んで、カー作品の中で最高のものの一つ。かなりシンプルな事件を、丹念に描いていく。当然、その過程で様々な仮説と反証がなされていく。ウェルメイド作品だが、やや地味。

 
 
 
 
  
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