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| | | Yの悲劇 (創元推理文庫 104-2) |
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究極のパズル小説 |
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| 本書は推理小説史上、最高の推理作品であり、究極のパズル小説だ。
作者は「エジプト十字架の謎」の中で、「わたしは○○の動機を知っていなかったし、いまこの瞬間でさえも知っていないということです。しかし、実際問題として、どれだけの違いがありますか」と、犯人が明らかになった後でさえ、探偵エラリー・クイーンに語らせている。それは、作者が推理小説をパズル小説として位置づけ、動機の解明など二の次としている姿勢を表す言葉だ。そして、その姿勢を実践したのが本書なのだ。
本書で犯人は、ヨーク・ハッターのシナリオどおりに犯行を行なうが(最後でシナリオに背くが)、犯人自身には殺人に関しての何らかの意志や動機というものが微塵も感じられない。しかし、それでいいのだ。動機は犯人の心の中にあるもので、犯人自らが語らない限りそれを本当に探り当てるのは不可能なのだ。だからレーンはとにかく犯人の条件として適合するデータを揃え、そのデータから唯一無二の犯人を探り当てる。まさしく本格推理小説の王道を行く作品なのだ。
綾辻行人や有栖川有栖、法月倫太郎とかがいろいろ頑張っているみたいだが、こんな作品、もう二度と出ないのだろうな。 |
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ファントム・レイディとこれ |
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| 数多の推理小説ベスト○○という企画をやると、必ずといていいほどトップ10に入って来るのが、「Yの悲劇」。そして一位を争うとなると、これか「ファントム・レイディ(幻の女)」ということに決まっているようで、ここ数年は「ファントム・レイディ」のほうが若干分がいいようだ。
しかし、シェイスクピア俳優のドルリー・レーンという稀代の名探偵を生み出したこと、世界一ともいえる恐ろしい場面を我々読者に経験させてくれるということ、E.クイーンのプロット設定の旨さ等々を考えると、総合的には、やはり、私は「Yの悲劇」に軍配を上げざるを得ない。
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謎がいっぱい |
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| 本作が、なぜにそこまで評価されるのかが、最大のナゾ。
ストーリーも犯人の意外性も、「X」のほうがずっといいと思うけどなあ。
初めて読んだのは30年以上前だけど、「推理の論理性」についてはともかく、「犯人」はすぐわかった・・・っていうか、これだけ手がかりがあるんだから、この「犯人」以外考えられないし。
「エラリー・クイーン」より「ドルリー・レーン」のほうが、なんだか位が上みたいに思われるのは、ただ単に「・・・の謎」より「・・・の悲劇」ってほうが、字面的に、あるいは口に出してみたときに重みがあるから・・・くらいなことなんじゃないでしょうか。
人間の掴み方の深さも、クイーン中期の「災厄の町」のほうが上。
これからクイーンを読んでみようと思う若い方には、ストーリーの面白い「エジプト十字架の謎」や、最後の1行がかっこいい(笑)「Xの悲劇」をお勧めします。
「X」を読んで、探偵としてのドルリー・レーンの成り立ちを知ってから、「Y」、「Z」(あまり面白くないけど、最終作へのつなぎ役)、「最後の悲劇」(クイーンはこれをやりたかったんだと思いますよ。X・Y・Zを伏線にして、究極の「○○な○○」を作り出すっていう気の長い構想)を読むのがいいと思います。
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この犯人って意外ですか? |
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| 名作の誉れ高いけれど、この作品の犯人って全然意外じゃないような気が・・・。手がかりをきちんと追っていけば、その人が犯人としかいいようがないように思うんですが・・・。Xの悲劇の方が作品としては上なんではないかと・・・。クイーンの醍醐味でもあるロジックも、なんかイマイチのような気が・・・。だって他の作品には手袋とか、ヨードチンキの瓶とか印象的な小道具があるのに、この作品なんてホコリの跡とかだし・・・。何より、この作品の最大の見せ場であるブラントインスタルメントは、はっきりいって日本人には意味わかんないでしょ。 |
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