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| | | 「世界征服」は可能か? (ちくまプリマー新書 61) |
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仮面ライダーもしんどいけど、ショッカーの首領もつらいのよ |
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| 「世界征服」とは、案外割の合わない行為らしい。「目的」を持って「ビジョン」を掲げ、賛同してくれる「人材」を募集し、武器や格闘の「研修教育」を行う傍ら、活動のための「資金」集めに奔走し、それを元手に「兵器」や「秘密基地」を購入・建設する。そしてようやく準備が整い、「計画」を遂行した結果幸い世界を征服できたとしても、実は本当の苦労がそこから始まる。
支配下に置いた者同士の争い事の仲裁、贅沢な暮らしを続けるための産業の振興、部下のモチベーション維持、後継者の育成、あるいは温暖化をはじめ地球規模の問題にどう対策を講じるか等々、今の世界(地球)には支配者が手を下さねばならない問題が山積みだ。支配者だからといってあまりに強圧的手段ばかり取っていると、いつ配下の者に逆ギレされたり寝首をかかれるか分からず、おちおち眠ることもできない。
仮面ライダーも大変だが、ショッカーの首領をやるのも結構しんどいもんだなあと、本書を読んで感じた次第。 |
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まじめに考えるから面白い |
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| 昔から、悪の秘密結社はなぜ「世界征服」をしようとするのか、けっこう謎だった。最近、息子と一緒に昔の「仮面ライダー」なんかを見たりするけれど、やってることといったら、学校給食に毒を入れたりとか、そんなレベルだったりする。というかそもそも、世界を破壊することがなぜ征服なのだろうか、という突っ込みを入れてしまう。廃墟となった世界にいて、楽しいのか?っていう。まあ、それは人の好き好きなわけで、人類を滅亡させて、そこでうまい酒を飲みたいっていうのはあるのかもしれないけれども。
とまあ、そういうわけで、「世界征服」という楽しい話題(酒の肴にピッタリのテーマだ)を提供してくれるのが本書。もともと、ロフトプラスワンという居酒屋風トークライブハウスでのイベントをもとに、本にしたわけで、すばらしくマジメでおバカな本なのです。
どのぐらいマジメかというと、まずは「世界征服」の目的を明らかにしています。ブッシュ君たちのようにお金が欲しいとか、石原君のようにちやほやされたいとか、麻原君のように無視したやつを見返してやりたいとか、いろいろあるわけです(って実在の人物ばかりですね)。それはともかく、ショッカーについても、「世界征服の後のビジョンがないので失格」などと手厳しいことも言ってくれます。
さらに、「支配者」のタイプの分類。魔王タイプ、独裁者タイプ、王様タイプ、黒幕タイプなどなど。ちなみにぼくは王様タイプでした。でも、それにしても支配者っていうのは、けっこう大変だということが明らかにされています。アドルフ・ヒトラーも自殺しなけりゃそのうち過労死していたのではないか、と指摘されるくらいですから。支配者ですから、マネジメントもしなきゃいけないし、いざとなったら表に出なきゃいけないんですよね。
そして「世界征服」の手順。これさえあれば、世界征服ができるか、というと、けっこう苦労が多いんですけど。しかも、支配した後のビジョンが求められるし。そして、そんな「世界征服」のウソくささにみんな気付いているのか、最近のヒーロー物では、悪はあまり世界征服を目指さなくなりました。 |
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