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 文章読本さん江 (ちくま文庫)
文章読本さん江 (ちくま文庫)
 
¥ 819
発売日:2007-12-10
筑摩書房
オススメ度:
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■  文章は伝染する
文章読本という資料に語らせつつ批評していく手段は優れている。各種文章読本を引用すると斎藤美奈子の地の文章の文体がその文章読本の文体に似てくるということ自体が文章読本の偉そうな語り口や「文は人なり」というドグマをおちょくりつつ,最後の結論「文は衣装」に結び付いている。「読書感想文」という奇妙な習慣が「生徒に強要できる共通体験としての読書」を位置づけ,それを文章にさせるというスタイルが日本に定着していく様も興味深い。
最後に挙げられている「レトリック感覚」がおそらく最もまともで面白くかつ役に立つ文章読本であると改めて感じた。

■  こんなにたくさん!
まず、世の中にこんなにたくさん文章読本なるものが存在していたのか・・・と驚かされました。
私自身は「文章読本」というあからさまなタイトルのモノは買ったことがないけれど、それでも「日本語練習帳」とかは買った記憶があります。
そういうモノを読んだからといって、とくに文章が上達したわけではないのですが、これだけ出版されているということは、それなりに需要のある分野ではあるのでしょうね。
今作品でも、斎藤さんの批評を楽しく読ませていただきました。
また、明治以降の国語教育の歴史も垣間見られて、参考になりました。

■  文章読本について知りたい人の必読書
「巧い文章とはなにか」に対する回答を求めて、何冊かの文章読本を買った。それらを読む前にこの本を読んで、他の本はあまり読む気がしなくなった。本書は、膨大な数の文章読本を網羅し、それらの内容を検証している。内容は包括的で濃いが、対象が「文章読本」という必ずしも娯楽性の強いものではないので、途中で飽きてしまうこともあった。いずれにしても、このような大著を書き上げた斎藤さんの探究心と忍耐強さに敬意を表したい。あちこちに散りばめられたちょっぴり辛らつだが、嫌味のない批判スタイルは好感が持てる。斎藤さんの他の著作を読んでみたいという気になった。

■  斎藤美奈子さん江。自ら文章読本を書いてみる気はありませんか?
単行本を買いそびれていたのだが文庫化を機会に購入した。文芸評論家界随一の芸人、斎藤美奈子らしい一冊だった。

文章読本の謎?を解明するのに、日本の学校における作文教育、綴り方教育の歴史にまで手を広げるという、手間も時間もかけた一冊。それはチョット強引でないかい?こじつけでないかい?と突っ込みたくなる時もあるが、そもそも、何かを評論するという行為は最終的には筆者の主観に基づくのだから、読み手はそれを気にすることなく彼女の「芸」を楽しめばいいと思う。

彼女の評論は、けなされた作品ほど読んでみたいと思わせるものだが、今回に限っていえばそういう気分にならなかった。引用されている文章を読まされるだけでお腹一杯、ごちそうさま、という感じだった。きっと、引用された文章だけではなく、その執筆姿勢まで彼女に突っ込まれ、メッタ斬りされているからなのだろう。

第一回小林秀雄賞の受賞作とのことだが、小林秀雄も草葉の陰で笑っているに違いない。

斎藤美奈子は、日本で数少ない、読者を笑わせることができる文芸評論家だ。是非読んでみたいと思うのだが、彼女自ら「文章読本」を書いてみる気はないのだろうか。きっと自分でボケて自分で突っ込みを入れるというおもしろい作品になると思うのだが。

 
 
 
 
  
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