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| | | 責任 ラバウルの将軍今村均 (ちくま文庫) |
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尊敬する陸軍大将の一生をきちんと書いてくれた名著。 |
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| 我が尊敬する帝国陸軍大将の今村均伝としては、ご本人の回顧録の他には土門周平氏、秋永芳郎氏、日下公人氏、そして角田房子氏が書いているが、私は角田房子氏の本書が最も好きである。(今回は敢えて古い1987年7月新潮文庫版を読んだので、本来は本書ちくま文庫版にはレビューを書かないのが私の流儀だが、本書だけは特別に投稿した。)本書の特徴は、終戦のラバウル、バタビア、マヌス、そして世田谷区豪徳寺の戦後23年の今村将軍の生き方が特に丁寧に詳述されていること、先妻銀子と後妻久子のことを詳しく触れていること、著者ご自身が今村将軍と縁ある多くの方々との面談内容を記していること、著者ご自身が今村将軍の足跡を追って現地を訪れ記述していること、これらは本書今村均伝を更に内容豊かなものにしてくれた。私が何故に今村将軍を尊敬するか。やはり真のリーダーとして完璧な人物で、圧迫・圧政が当たり前の日本軍南方施政の中で理想的な軍政を行なった唯一の司令官であること、将兵の命を粗末にせず自給自足体制を確立し、10万の兵を無事に帰国させたこと、戦後の部下が収容されるマヌス島への移送嘆願、釈放後も遺族・部下の為に日本国中奔走する元大将の姿、これらは他の陸軍幹部にはいない。陸士19期は元々幼年学校出は採用せず、一般の中学出身者であるところがいい。陸大で首席であった今村将軍を含めて陸士19期は5名の大将を輩出したことでも有名であるが、人間として最も円熟したのも今村大将である。今村均回顧録、続・今村均回顧録と共に本書は何回でも読み直したい1冊である。 |
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マッカーサーをも唸らせた真のサムライ |
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| 本の内容のあらましについては、↓を参照http://www2s.biglobe.ne.jp/ ̄nippon/jogbd_h10_2/jog046.html
部下に慕われ、敵味方を問わず周囲の人々全てを惹き付け、「聖将」と謳われた帝国陸軍軍人・今村均の全生涯を扱った伝記。
日中戦争(支那事変)における南寧作戦や、太平洋戦争初期におけるジャワ軍政、ラバウルでの持久態勢の構築など見所は多いが、圧巻はやはり敗戦後の戦犯裁判・戦犯収容所における今村の活躍ぶりであろう。卓越した情勢判断、抜群の弁論・交渉力、圧倒的な統率力、何よりも部下たちに対する無限の責任感。人の上に立つものはかくありたいと思う。
筆者は努めて冷静に今村の実像を捉えようとしており、手放しで賞賛しているわけではない。支那事変の際に不拡大方針に従わず、大東亜戦争(太平洋戦争)を肯定する今村に帝国陸軍軍人としての限界を見る。筆者の今村批判は、時に「酷な注文」に思えるほどである。だが筆者は「指揮官であった軍人のほとんどが、多かれ少なかれ部下たちを危険にさらしただろうが、その中の誰がここまでの責任を感じただろうか。今村は敗戦のラバウル以来、ただその罪責だけを見つめ、それを日常の行為に現して生きてきたのである」と総括しており、太平洋戦争に批判的で帝国陸軍に負のイメージを持つ戦後民主主義を生きてきた人間をも魅了する人徳を今村が持っていたことは疑いないであろう。 |
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タイムリーな再刊 |
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| この本は、20年近く前に出版され文庫化もされたが、その後絶版となっていた。戦後60年が経過し、ようやく左翼イデオロギー偏重の大東亜戦争観が修正されつつある今、今村将軍を紹介する書籍が復刊されるのは時宜を得ている。
今村将軍は、陸軍大学校を首席で卒業したエリートだが、きわめて常識的な良心を持った軍人だ。戦争中最後に担当したのは、昭和18年以降のラバウル。ここで今村は、戦況の悪化と補給の途絶を予見し、全将兵を3班にわけ、要塞築城・戦闘訓練・食糧生産を交代して行い、結果、飢えることなく終戦まで持久作戦を持ちこたえた。
大東亜戦争といえは、兵站線が伸びきり補給が困難ななか、連合軍の圧倒的な物量に押し捲られた戦というのが常識であろう。そういう中、今村将軍は自身の良心に忠実に判断を下し、上記のような成果につながるわけだが、いっぽうで、あくまでも帝国陸軍の軍人としての限界もあった。このことも本書の中で痛いほどわかる。
なお、今村将軍の軍人生活のなかではほんの一部だが、開戦直後、蘭印攻略作戦を主宰し、オランダ軍をわずか9日で降伏させ、投獄されていたスカルノを救出、インドネシア人と一体になって軍政を進めた。その際の、現地宥和政策が、中央に弱腰と批判され、後のラバウルへの転任につながってしまうのだが、スカルノとの邂逅とインドネシア軍政は、本書の白眉である。 |
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