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 評伝 柳宗悦 (ちくま学芸文庫)
評伝 柳宗悦 (ちくま学芸文庫)
 
¥ 1,575
発売日:2004-01-11
筑摩書房
オススメ度:
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■  宗教美の具現
 「美信一如」この四字熟語がぴったりの人。
 仏教で言い習わされた言葉を借りて「他力道」と言っている。美の世界における「他力道」の確立と、他力の聖典による美の法門の樹立が志向された。
「善も聖も美も結極一つである。現れ方が異なるとしても、道は一つなのである。私達はどんな言葉で美を説くにしても、聖典以上の言葉でその真意を述べることは出来ない。そこには美に就いての金言が無数に潜む」 
 宗悦の師は学習院時代から禅の世界的碩学鈴木大拙だった。
『美の法門』の著述は、柳宗悦の半世紀にわたる思想の遍歴を【美信一如】という前人未踏の世界に導き入れた。民芸館における「東洋思想講座」において、美と信とを一如とする独自の美思想を説いた。
 本来の実相から外れ、小我に妄執して醜に堕ちている現実を、本有の性である【美の浄土】へ帰らしめること。柳宗悦の「美の法門」の使命はそこにあった。彼が生涯の最終の目標は「仏教美学」の樹立であった。
 宗悦の茶への注目は工芸の美への注目とともに早く、かつ深い。
「茶境は美の法境である。そこに流れるもろもろの法規は、宗教のそれと何ら変わるところがない。
 古来茶道と禅道とは密に結び合ふ」と述べている。すべて彼の眼を惹き心を捉えたのは、それらの美となって具現されている「宗教性」であった。

 
 
 
 
  
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