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 イコノロジー研究〈上〉 (ちくま学芸文庫)
イコノロジー研究〈上〉 (ちくま学芸文庫)
 
¥ 1,365
発売日:2002-11
筑摩書房
オススメ度:
 


 


■  入門書ではないのでご注意
基本的な理論は「序論」のみで、あとは実践の結果についての記述がメインなので、理論に基づくパノフスキーの思考過程を追いかけながら読み込まないと、「へえー、そうなんだ」で終わってしまいます。ある程度の基礎知識と、読み込むための時間と根気は必要かと。

■  イコノロジー
 『ダ・ヴィンチ・コード』ダン・ブラウン(著)に代表されるように、絵画のモチーフやテーマの裏に隠された意味を探る、といったある意味ミステリー的な趣向によって「イコノロジー」という単語がより日常に近いレベルで登場するようになったのは、なんとなく面白い現象な気がします。

 著者、エルヴィン・パノフスキー(Erwin Panofsky 1892-1968)はイコノロジーの生みの親とされるアビ・ヴァールブルク(Abi Warburg 1866-1929)の研究を継承し、その発展の立役者として知られているとのこと。

 パノフスキー氏のこの著書は、一般的な読者を対象にしたものということで、有名な作品や図像に絞って丁寧な解説が加えられています。特に氏のイコノロジー自体を解説した「序論」は、体系的にイコノロジーを理解するのにうってつけの内容となっています。

 改めてここに記すまでもありませんが、作品の意味・内容を扱う上での手法として【第一段階:自然的主題】、【第二段階:伝習的主題】、【第三段階:内的意味・内容】という三段階の解釈はとても論理的で理解し易いものがあります。氏の「帽子を取って挨拶する紳士」というとても日常的なモチーフを、この三段階の解釈で説明する下りは一読の価値があります。

 どちらかと言えば、美術作品に隠された謎があってそれを推理する、といった理解の方が幅を利かせている感もありますが、氏の唱えるイコノロジーとは作品の意味・内容を理解する上での視点、あるいは姿勢を述べたものであることが、この著書からは感じられました。

 また鎌を担いだ老人として表される「時の翁」(Old Father Time)や「盲目のクピド」(Blind Cupid)などの成り立ちからは、単なる美術解説書などでは得られない知的興奮が味わえます。


■  イコノロジーそれは宇宙です
この本は内容もあまり確かめもせず、タイトルのみで購入した本でしたが、内容も面白く私のお気に入りの本になってしまいました。

図像があらわしている「動き」を、何を意味しているのか? を読み解くためにいろいろな文献を漁りその図像の題材を考察するのがイコノロジーです。

著者の研究題材は多岐にわたり、いろいろな見方があるのだなと感心させられます。

イコノロジーを齧ってみたいと思っている方は、この本を読んでみてはいかがでしょうか?


 
 
 
 
  
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