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 芸術の哲学 (ちくま学芸文庫)
芸術の哲学 (ちくま学芸文庫)
 
¥ 1,365
発売日:1998-06
筑摩書房
オススメ度:
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■  渡辺先生の芸術学で、厳密には入門書ではないよ。
 渡辺先生の語り口は、誤解が多い。既存の哲学者の概念を組み合わせて、自分の哲学を語る。古民家の廃材で、自分の家を建てるようなものだ。部品に惑わされると、本人の主張が見えないし、部品の採り方は、プロの目からすれば、かなり恣意的だ。どう恣意的かがわからないと、あたかも原著者がほんとうにそう言っていたかのような錯覚を起こさせる。入門者なら、もっとニュートラルな個々の原著者の解説書に当たるべきだろう。(とくに、出発点のアリストテレスのカタルシスの解釈からして、かなり問題があると思う。)
 本書自体の主張は、近代主観主義的美学に対して、存在論的美学を立て、後者こそ本流であると言う。この主張自体は、ショウペンハウアー以来、よく知られたものだ。渡辺先生のオリジナリティは、このことを論証するために、フロイトやユンクを迂回して、芸術家の天才的な集合無意識を媒介とすることによって、ニーチェ風の選民の独善的な美学をうまく避けたところにある。
 とはいえ、存在論的美学の論証なら、アリストテレスのカタルシス論から、フッサールの現象学的還元を経由し、バウムガルテンの美の論証へ持ち込んで、プラトンのイデア美学へ抜けた方が、素直だと思うが。また、存在が美的以前のものであるために、話は存在への芸術学であって、美学たりえなくなった。つまり、存在論的美学を論証する以前に、存在論的美学そのものが見失われた。カントの崇高の概念で最後になんとかしようとしているのだが、ムリがあると思う。

■  芸術とは何だろう?と思った人に対する言語による回答の一つ
この本は、『芸術作品に接して興奮を覚える人間とは、一体何なのであり、人間のいかなる在り方に根拠づけられているいるのだろうか』という問いを中心課題に置き、アリストテレス、ニーチエ、ハイデッガー、ガダマー、フロイト、ユング、ショーペンハウアー、カント等の思想に即して、著者の哲学的考察をしたものである。
その考察を一言で言えば、芸術とは、科学知では及ばない、人間が生きているということに関わる「真実」を、「発見的装置」としての芸術作品を媒介として自己認識することである、というものである。
著者の言わんとするところを理解するためには、ハイデッガーなど引用されている哲学者達の言い回しについての理解が少し必要ですが、小生のような一般的読者にとっても、冒頭の問いを持ってさえいれば面白く読めると思います。

■  間違いありません!
芸術とは?
この本を読めば解るはずです○
非常に解りやすく説明されております。
この種の入門書をお求めの方は、是非読んでみてください。
多くは語りません。しかし、間違いありません!


■  素晴らしい
ピアニストがピアノを弾いているのをみると、いかにも簡単そうに弾くので自分も弾けそうな気がしてくるものです。
それと同じように、この本を読むと、哲学というのは、案外分かりやすいなと思えてしまうほど、この本は分かりやすく、すらすら読めます。
渡邊氏訳の『イデーン』を読んだことがあるかたなら、氏の原文の読みの緻密さと、それを明快な日本語に置き換える才能についてはすでにご存じでしょう。
この本によっても、あらためて渡邊氏のすごさを感じさせられました。
これほどの本がコンパクトで安価な文庫本として手に入るというのはありがたいことです。
渡邊氏には今後も是非とも哲学のあらゆるジャンルについての啓蒙書を書いて頂きたい者です。

 
 
 
 
  
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