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 英文翻訳術 (ちくま学芸文庫)
英文翻訳術 (ちくま学芸文庫)
 
¥ 924
発売日:1995-05
筑摩書房
オススメ度:
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体操競技に「技術点(technical merit)」と「芸術点(artistic impression)」があるように、翻訳という仕事にも、パターン化された「技術項目」と、それを土台に磨き上げる高度な「芸術性」があるようだ。 
本書は、シェイクスピア研究の第一人者であり、達意の翻訳家として知られる著者が、「技術項目」に限って解説を施した翻訳学習の名著だ。本書で著者が採用した方法は、学習英文法の枠組みに沿って英文を分解し、分解してできた項目ごとに、訳文作成のルールを提示していくという画期的なもの。全部で44のセクションに分かれた、システマチックで学習性に富んだそのノウハウは、「翻訳英文法」という呼称で、翻訳学習者の間ではつとに評価が高い。 
この方法の信頼性の高さについては、多くの関連書の存在(『翻訳英文法徹底マスター』、『翻訳英文法トレーニングマニュアル』―― いずれもバベル・プレス刊など)や、これに言及するプロ翻訳家が多いことからも容易に推察できるが、定評を得た一番の理由は、やはり「英文法」という枠に注目したアイデアの斬新さに尽きる。つまり、本書には学校英語に慣れた者に、「翻訳」へ興味をかき立てる、啓蒙書としての側面もあるということだ。 
この魅力は「マニュアルの向うのあるもの」と題された<あとがき>の中で存分に発揮されている。公式による技術の後に何が来るか。とくと味わってみてほしい。(玉川達哉)


■  モチベーションが上がった
私は産業翻訳者です。20年近く社内翻訳をした結果、翻訳への意欲がなくなってきて、困ってました。この本を読んだおかげで、やる気が沸いてきました。

翻訳の例文が素晴らしい。自分の目標を高く設定することができそうです。

翻訳者が悩みがちなポイントもちゃんとカバーしてあって、役立ちました。

ただ本書は小説など文学の翻訳を中心で、産業翻訳の場合、時間の制約が厳しいため、本書の内容を全面的には反映できません。それでも読んでプラスになったと思います。

■  翻訳者を目指す者、英文学学生にてとっては最適
本書は1982年4月に発行された「翻訳英文法」を改題し、ちくま学芸文庫に入ったものである。
私もスペイン語和訳翻訳に従事し始めた翻訳家の卵であるが、非常に役に立つ。片手にメモ用紙をおいて、自分で翻訳しながら読んでみる価値はある。章の題目を読むだけでも翻訳の原則が分かり、価値ある書物の一つである。

■  翻訳の実践に
 先にこの『英文翻訳術』*1を読み、続いて著者の『英語の発想』*2を読みました。私はまだ翻訳の経験を積んでいる最中ですが、この2冊のおかげで、どうやって訳すべきか悩んでいた箇所がすんなりと訳せるようになってきたと思います(*2は、*1で不足していた「日英語の発想の相違を、対照言語学的なアプローチを取りこ」むという作業が行われています。「 」内は*2 文庫版あとがき より)。

 先に何名かの方が指摘しておられますが、文庫版で値段も手ごろですので、翻訳を仕事にしていらっしゃる方だけでなく、翻訳を勉強中の方にもお薦めです。


■  受験英語における直訳至上主義を脱す
受験英語では、構文や語彙の意味をとれていることを明確に示すためにあえて直訳(逐語訳)を書くことが要求されることも少なくないが、その受験でかたまってしまった直訳癖を解消するにはよい本であり、それが評価されるのも頷ける。しかし、私がこの本を大学ではじめて目にした折、さして新しい発見をできなかったという事実からも見て取れるように、ここで取り扱われているような訳出法は、実は伊藤和夫氏(「長文読解教室」の『私の訳出法』)や多田正行氏(「思考訓練の場としての英文解釈」の『名詞化構文の解析』)などの受験参考書で既に多かれ少なかれ解説されているものばかりなのである。ゆえに、この本が大好評を博すというのは、いかに多くの人が受験参考書をリミットまで活用していないかを指し示す一つの証拠とも言え、少し複雑である。また、付け加えとなるが、この本で扱われているようなものが果たして翻訳のための『訳出法』の結果生まれる訳なのか、英語がわかっていれば自然に出てくるはずの訳なのかは簡単には言い切れない部分があるだろう。安西氏は、英文解釈と翻訳を明確に区別しておられるようだが、少なくとも本書で扱われているレベルの例文を訳す際にその二つにそれほどの差異を認めるべきではない、という立場があってもよいのではないか。

 
 
 
 
  
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