HOME   |   ベルメゾン   |   セシール   |  
 
書 籍 C D DVD ゲームソフト エレクトロニクス ソフトウェア ホーム&キッチン ホ ビ ー
 
革命について (ちくま学芸文庫) 
暗い時代の人々 (ちくま学芸文庫) 
公共性 (思考のフロンティア) 
公共性の構造転換―市民社会の一カテゴリーについての探究 
現代思想の冒険者たちSelect アレント 公共性の復権 

 
(
)
  
 
 人間の条件 (ちくま学芸文庫)
人間の条件 (ちくま学芸文庫)
 
¥ 1,575
発売日:1994-10
筑摩書房
オススメ度:
通常24時間以内に発送
 


 


■  人間として生きる意味を問う、一つの視点
 本書の意図は、著者がプロローグにおいて述べている次の文章に示されている。『これから私がやろうとしているのは、私たちの新しい経験と最も現代的な不安を背景にして、人間の条件を再検討することである。』。
 その再検討の内容を一言で纏めてみると、「人間の活動力の基本的要素は三つあって、労働、仕事、活動であり、それぞれの”人間の条件”は、生命それ自体、世界性、多数性である」というものだが、この言い回しがどういう意味なのかは、読んでのお楽しみとしておきましょう。
 本書には、アレントの政治哲学上の重要な概念、例えば「公的領域と私的領域」などの考え方がちりばめられていて、そこを理解するのが面白いと思うのだが、小生のような一般読者が通読しただけではかなり難解。
 だが、少し極端に言えば、現代社会は経済活動などの私的領域が拡大したもので、そこでは生命価値が絶対だから古代と違って「労働」の地位が第一位となっていて、科学技術の発達は人の力で世界を創る「仕事」を充実させはするが、人間の「活動」を創出する本来的な公的領域は喪失し、人々は自ら進んで類人猿に成り下がりつつある、という見方には確かに一理あると思う。

■  もっと労働に意欲を示せ
よくよく考えたら、あんたは、結局、働かずに楽して思索に耽っているだけの有閑マダム(笑)ではないですか?世の中の人はそんなにヒマではないのですよ。もう少し生きると言うことをまじめに考えましょう。

■  名著だが読解には注意が必要
 今流行の「公と私」とか「公共性」を考える際に外せない本です。
 まずアレントは人間の行為と三つに分類しますが、この労働、仕事、活動という分類は、マルクスに影響を受けたものであることは明らかでしょう。それにからめて、ギリシャ時代の「公共性」の概念について議論が展開され、近代になってこの構造が崩れてきたことが述べられています。しかし、いろいろな論者が述べている通り、単純に「公共性の復権」を訴えた著作である、というのは誤読ではないか、と感じています。
 わたくしはアレントのよい読み手であるかどうかはわかりませんが、彼女の著作に共感を覚えている者としては、他の著作に比べて現代日本においての重要性は落ちるような気がしています。
 その理由は、近代民主主義が成立する以前の日本の構造が、ここでアレントが呈示している古代ギリシアのそれとは異なっているということが大きいと思います。ここで展開されている公共構造の転換というものは、日本においては必ずしも当てはまらないのではないでしょうか。
 しかし、このアレントの議論をそのまま日本に当てはめるという愚さえ犯さなければ、その筋道を追うことはこの問題について考えてゆくうえでのヒントを与えられることになるのは間違いないでしょう。

■  刺激的な本です
刺激的な本だと思います。私自身は宗教思想が専門で、政治学についての知識はあまりありませんが、何かこの書からは宗教的なメッセージとでも言いうるようなものが匂い立ちます。著者はその生い立ちから、こうした著作をものするとき、全存在をかけていたのではないでしょうか。

20世紀を代表する思想家であると思いますし、難解ではありますが優れた書であることは間違いないと思います。


 
 
 
 
  
Copyright @2006 myminty.com, japan. All rights reserved.