HOME   |   ベルメゾン   |   セシール   |  
 
書 籍 C D DVD ゲームソフト エレクトロニクス ソフトウェア ホーム&キッチン ホ ビ ー
 
ハイデッガー『存在と時間』註解 (ちくま学芸文庫) 
ハイデガー『存在と時間』の構築 (岩波現代文庫―学術) 
ハイデガーの思想 (岩波新書) 
形而上学入門 (平凡社ライブラリー) 
「ヒューマニズム」について―パリのジャン・ボーフレに宛てた書簡 (ちくま学芸文庫) 

 
(
)
  
 
 存在と時間〈上〉 (ちくま学芸文庫)
存在と時間〈上〉 (ちくま学芸文庫)
 
¥ 1,260
発売日:1994-06
筑摩書房
オススメ度:
通常24時間以内に発送
 


 


■  やはり凄いぞハイデッガー
 昔、読んだ時は、要するにハイデッガーは一方的に断言するだけで、論証も実証もなされていないから、こんなものは学問ではないという印象を持った。今回、細谷訳を読んでみると、あらためてハイデッガーが現象学に忠実であり、現象への近づき方として、平均的日常性に定位することの意味と、道具が事物よりも先行することの意味がよく分かった。広松渉が何十頁も費やして主観・客観図式を批判していることと比べると、何とハイデッガーは簡潔に鮮やかに疑いの余地なく示していることか。翻訳だから所詮三流の理解に過ぎないけれど、世界の見方が一変する思いがした。「世界内存在」もまた、よくできた一つのお伽噺にすぎないだろうか?そうとも言えるかもしれない。それは自ら読んで確かめられるといい。賭けてもいいが、ここには考究に値するものがある。

■  非存在の状態を解析
非存在の状態を知りたかった。非時間の存在の在り方を知りたくて手にとりました。 いまの個人の存在は、複製だと考えました。だれかが意図した肉体状態である個人の表現された状態。この存在は時間をかけてなにかを表現し、蓄積しながら、非時間へと進んでいる。その存在の在り方を知りたかった。何処から来て、何処へ行くのか?何のために現れて非時間へ行くのか? そのヒントのようなことがつかめました。 時空間を超えて、ありがとうございました。

■  難解さととても身近な思索が織成す名著。後世への甚大なる影響。
存在論の組み直しによって、新たな思考の地平を切り開こうと、その準備段階として「現存在」分析(人間の分析)に入り込み、そこで頓挫して、未完となったのが本書である。壮大な試みを背負って書き出される本書は、なにやらそれだけで知の最前線に立ったかのような錯覚を読者に与え、私なども読むたびに、無闇に興奮を覚えたものだ。だが、話の筋は追うことが不可能なほど難解ではないが、デカルト、アリストテレス、ヘーゲルあたりの解釈論は、大学の学部の教育程度ではよく分からない、私もよく分からないことが多かった。むしろディルタイの歴史哲学に知識があると、似たようなことを言っている事に気付く部分があり、分かりやすい。日常性の分析は、俗耳に入り易いアイデアとプラグマティズムの発想があり、後にバーガーの「現象学的社会学」に影響を与えただけの事はある。だが、著者が、最も評価するフッサールの「論理学研究」とどんな関係があるのか概要以上のことを説明した解説書は知らない。どちらかといえば、「イデーン」との関係は明瞭なるところがあるが、著者自身は、「イデーン」には無条件の評価は与えていない。ところで、本書は「死」を直視することから「本来性」を捉え返すところに、ひとつのピークがあるが、日本人にはむしろなじみやすい発想だが、「絶対者」に位置づけられた世界と自我を、「絶対者」を否定し、「自身」の視座によって、「本来的に」切り開くという、その発想は、欧米では画期だったと思える。ニーチェという前例はあるが、「学」的に語ったのは著者が最初で最後かもしれない。絶対者の問題はおくとして、「実存的な」語りに傾かなかった点も、ヤスパースやキルケゴールとは全く異なる冒険だったと思える。なお、細谷氏の訳は、ご本人が優れた文人であった人だけに達意の名訳。解説も見事で、「存在と時間」は本訳書で読むべきだ。本書が単なるエピソードでハイデガーの思想上重要な地位を占めないという意見を「歴史的」事実から主張する向きもあるが、ハイデガーを哲学者だと思う人は、細谷氏の解説を熟読・熟考するのがお勧めである。

■  とりあえず避けて通れない
要するに、人間は現存在として関係性の中に、開示態として存しているが、それは日常性の中に、即ち広義の「世間」の中に埋没しており、その現存在の様態をひとつひとつ明らかにするための存在論的基盤を打ち立てる、というのがこの巻の主旨である。私は、原文のドイツ語が読めないので、翻訳についてどうのこうの言う資格はないが、基本概念は十分つかめる。ハイデッガー特有の用語を理解した上で読むと尚良いが、フッサールは言うに及ばず、カントの観念論、デカルトの自我思想などについての基本知識がないと、さっぱり要領を得ないだろう。なかなかヘビーで難解な部分もあるが、古典にしてはとっつきやすいほうだと思う。下巻はより解りやすいと思う。

 
 
 
 
  
Copyright @2006 myminty.com, japan. All rights reserved.