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日本の風景・西欧の景観―そして造景の時代 (講談社現代新書) 
風景学入門 (中公新書 (650)) 
風景学・実践篇―風景を目ききする (中公新書) 
失われた景観―戦後日本が築いたもの (PHP新書) 
風土の日本―自然と文化の通態 (ちくま学芸文庫) 

  
 
 日本の景観―ふるさとの原型 (ちくま学芸文庫)
日本の景観―ふるさとの原型 (ちくま学芸文庫)
 
¥ 1,050
発売日:1993-01
筑摩書房
オススメ度:
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■  素朴な景観論
 折口信夫、柳田国男などの日本民俗学の大家の著作を豊富に引用して行われ
る景観論は、「日本の景観」という仰々しいタイトルを冠されているものの、
内容としてはいたって素朴な「ふるさとの原型」という副題に沿ったものに収
まっている。

 現代の都市計画家にあって欠かすことの出来ない、住民との合意形成にもと

づくデザイン素画能力は、各住民の精神を最大限尊重し、住民同士のディスカ
ッションをいかにオーガナイズしてゆくか、という処理能力に等しくなってい
る。そこで求められるのは、一般と乖離した孤高の天才ではなく、至極まっと
うな認識力を持ちうる普通の技術者である。そこでは本書で述べられるような

“普通の感性”をいかに的確に表現することが出来るのかが重要になってくる。


■  感性を重んじているところがポイントではないでしょうか
先日、四国遍路の一部300kmを歩いてみたのですが、室戸岬の近くの小高い岬尾根を乗越した際、日本各地にありふれた景色の一つを見たような気がしました。

小川脇の小道から尾根道に取り付くとしばらくは樹林帯を歩くのですが、しばらく経つとパッと視界が開けて、畑が広がっているのです。その畑から振り返ると取り付きにある集落を見渡せ、その奥には太平洋が広がっているのです。その様な眺望を得られる畑の隅にはお墓が鎮座しているのです。

この様なだれしもほっとする景色がどんな景色なのかを、丁寧に解説した本書は、万人にとって良書だと思います。


■  「景観工学」の草分け
 「景観論」というと、志賀重昂『日本風景論』のように、名所絵的感性で文学的に捉えられた「美しい景色」をマクロ的に論じたり、あるいは「都市の雑多な景観(プラス評価にせよマイナス評価にせよ)」をミクロ的に論じたりするイメージがあります。

 また、「空間論」「都市論」となると、構造主義を背景とした社会・経済学的考察や、もっぱら建築空間や都市計画の美的側面の話になってしまうきらいがあります。

 本書の優れた点、「景観工学」の草分けとも言える性質は、これら既存の論点の間に立って、「われわれがどんな空間(あるいは景色・地形)を心地よく感じるのか」ということを、感性論的にかつ具体的に論じてゆく論点の立て方にあります。

 初版以来20年を経ていますが、「景観」「空間」を論ずる上で、いまだに参照されるべき価値を持った書物だと言えます。参考文献も、文庫としてはまずまずの量が掲載されています。


 
 
 
 
  
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