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逃れられない「二項対立思考」 |
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| ほとんどの人がものを考えるときに用いてしまう「二項対立」と、それを打ち破るべく現れた「アイロニー」の本。
第1章では、二項対立思考のはらむ問題点を、主に最近の左右論争を題材に解き明かしていく。
そして、第2・3章では、哲学における二項対立の系譜と、ドイツロマン派のアイロニーについて書かれている。
そして、第4章では再び日本の言論界に戻り、そこにおけるアイロニーの状況を解説する。
哲学的なことが知りたい人は2・3章にわかりやすくまとまっている。
逆に、現在の言論界の閉塞状況について考えたい人は、1・4章がメインとなるのだろう。
筆者の意趣ばらし的側面も見られるが、筆者の中ではそれほど強いほうでもないので、まあ気楽に読める(といっても哲学の部分は結構難しいが)本である。 |
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テーマは二項対立 |
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| 現在の言論状況における二項対立というものが定着していった経緯を繙いているわけですが、そこはいつものように、概略が中程で述べられています。 結局マイナス×マイナスがプラスということになって、議論の全否定どころか、加味されたり、入れ替わったりするということも。 要は、相手に合わせると或いは相手と同じ土俵に立つと自ずと双方が似ると言うことなんです。
分析と、最後は仲正の私的事情からの論述展開で纏められていますが、 正直のところ、仲正自身の論理(意見)というものが欲しかった。 |
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面白くはあった |
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| 共感することは多かったが、わたしの思索において与えた作用はさほどでもなかった。いや、
本気で著作内容の検討をやりだすととんでもないことになるので、その辺は看なかったことに
しているだけなのだが。
それにしても、わたし的に意外だったのは、Kantに対しては比較的にその論を受け入れていない
ということだったな。もっとも、「物自体」という認識論はKantではなく、Leibnizのmonadologie
のことだと思うのだけど。って、だからそれの検証をやりだすと(以下略)。 |
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読者を選ぶ |
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| 昨今、斬新な主張を繰り広げる仲正氏の新書である。
現在日本における文系学問の世界に論理があると思う人はあまりいないだろうがそういう人にお勧め。
広範な知識を駆使し、二項対立思考の問題点をときつつ新たな展望を提示する。
その点二項対立思考を墨守しようとする人にとっては不愉快な本であろう。
確かに、前提となる知識が皆無であればこの本の中身はほとんど理解できないであろう。
つまり読者を選ぶ書物であるということである。
平凡な評論家レベルの分析を新聞やニュース、そして書物に求める人には難しいかもしれないが。 |