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 売文生活 (ちくま新書)
売文生活 (ちくま新書)
 
¥ 819
発売日:2005-03-08
筑摩書房
オススメ度:
通常24時間以内に発送
 


 


■  書いてなんぼ、売れてなんぼの世界。
 まさに売文生活を送っている著者が、その原稿料について調べ上げたものである。
 このなかでの驚きは、父の乱費によって給食費も払えなかったと壇ふみさんは自身のエッセイに書いておられたが、その父君である壇一雄が愛人の生活費まで算段できるほど稼いでいたとは知らなかった。
 また、妻が芥川賞をとったから当分の間は生活ができると踏んだ吉村昭の実態を紹介しているが、昔昔の東京でも楽に家が買えて生活ができたことがわかる。
 夏目漱石が朝日新聞のお抱え小説家であったことは有名であるが、さすがお札になるだけに原稿料の交渉もしたたかなのに感心しました。
 原稿料の推移、換算係数の決め事の成り立ちなど、作家のエピソードを交えながらの原稿料の起源についての解説はおもしろかった。

■  持ってても買い。
二十数年前の「ロッキン・オン」で渋谷陽一の、ロック評論家(ってまだ流通している言葉なのかな?)の原稿料についての赤裸々な告白(というよりかなり愚痴めいてました)を読んで以来、下世話さに後ろめたさを感じつつも、つい読んでしまう作家の原稿料や家計について、「物価の優等生」ではあるけれど、子供を大学にやれないほど悲惨なものではないといった、肩肘を張らないスタンスで書かれた本です。「坊ちゃんの時代」の何巻だったかのひとくちコラムのページで読んだ漱石らの台所事情に意外の感に打たれたり、小谷野敦の「評論家入門」(ちくま新書)で、うろ覚えですが、原稿で生活していて裕福に見える人がいたら、その人はお金になる別の仕事をしているか、親が金持ちだと思っていい(斉藤孝ら多少の例外あり)との記述に笑った記憶があったりと、そんな話も目にしてましたが、ずいぶん以前に故富島健夫さんから「『おさな妻』のおかげで晩酌に毎晩ビールが飲めるようになった」旨のお話を伺い、その時は、昔はビールがそんなに高価なものだった(バナナみたいに)のか、作家は売れるまではそんなに原稿料が安いのか聞きそびれて、結局は勝手に「ビールは高価で、原稿料は安かったけど、『おさな妻』で両方とも手に入れたと言ってるのだ」と解釈したことがあるので、作家は一発当てれば、と思っていました。しかし、言われてみれば最近とんと名前を聞かなくなった立花隆の窮状などを読むと、必ずしもそうではなく、自らの手で羽を回す人力ヘリコプターさながらの厳しい商売なんだなあと認識を新たにしました。

■  ライター希望者への厳しくも暖かい応援歌
原稿料について、明治時代から今日に至るまでの豊富な例を提示しながら、詳しく解説しています。
ライターを目指すなら読んでおきたい本です。
ライターになろうという覚悟が試されます。
しかし、筆だけで食っていくのは難しいという脅しだけで終わってはいません。
日垣氏はライター希望の人への厳しくも暖かいエールを送っています。
文章の端端から優しさが伝わってきてほのぼのとした気分になりました。
フリーライターをしながら
「持ち家、既婚、勤続10年、部長職以上」
が条件であるはずのアメックスのプラチナカードを作る作り方を紹介しています。

■  食えない生活拒否宣言
著者はもの書きになって数年、書き続けていくしか方法がなかった
その労働に見合う単価が原稿料に反映されてなかった経験がこの本の発端に感じた。
実際執筆で生活していない読者が読むと「切ない」
読者は本からその作家の思想を求めるが、金算段は儲け話以外は求めない
(貧乏も困窮すればそれはそれで、読者をひきつけるが)
でもこの本は原稿=金がかなり執拗に書かれてます。
時給を分単位で請求してる知人を見たような刹那さ

 
 
 
 
  
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