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技術経営の考え方 MOTと開発ベンチャーの現場から 
技術経営入門 改訂版 
MOT(マネジメント・オブ・テクノロジー)入門―技術系のMBA (技術系のMBA) 
技術者のためのマネジメント入門―生きたMOTのすべて 
MOTアドバンスト技術戦略 

 
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 技術経営の挑戦 (ちくま新書)
技術経営の挑戦 (ちくま新書)
 
¥ 735
発売日:2004-09-07
筑摩書房
オススメ度:
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■  技術経営の入門書としては最適
この本は、早稲田大学のMOT教官2名によって書かれた、技術経営の本である。記述も易しく、楽しんで読めた。
内容は、「技術経営」といっても、企業の技術戦略について書かれてはいない。むしろ、技術の移り変わりとその特徴について大きな視点から書かれたものである。
現在は第三世代の技術経営が求められ、いわゆる「非技術要素」が鍵を握るとされる。つまりは、純粋な技術競争ではなく、技術を取り巻く制度や習慣などにももっと注意を払うべきだとしている。
確かに、現在は、純粋な開発競争では、企業が過当競争に陥り、価格が下がり、結局、収益が出ない。そういった製品のコモディティ化に対して、「経験経済」「マス・カスタマイゼーション」「ブランド」などさまざまな戦略が生まれている。
こうした視点を技術の流れから理解しておくのも悪くないだろう。

■  第三次技術経営は日本の強み、現場力の再確認?
 「強靱な足腰」である、優れた現場力を競争力の源泉とする日本型の第一次技術経営システムに対抗すべく、90年代から21世紀初頭の米国を支えたハイリスクハイリターンの第二次技術経営が世界を席巻したが、今日では、巨大な所得格差と一獲千金のみを目指した投機的経営(モラルの低下)を引き起こし翳りを見せ始めている。本書では、日本が競争力を取り戻すには、これらとは異なる第三次技術経営モデルの構築が必要であると主張している。

 第三次技術経営のヒントとして、非技術要素の重要性を提起している。つまり、社会環境や習慣などの技術を取り巻く要素や、歴史、文化や伝統などの要素が技術に価値や意味を与えており、それらの文脈の中で技術を捉え直す事が重要である。

 例示されているものは、職人の巧の技や伝統工芸の技術などの、かつての日本の製造技術、現場力を支えていたものと、基本的には同じモノであり、中国語ワープロのキー配列のようなものは、同じように日本が大事にしてきた工夫や改善の結果、生まれたものと見なす事ができると思う。つまり、日本の強みをきちんと理解して、本当に意味のある技術に経営資源を投入することが、著者の提起する第三次技術経営だと言う事ができるのではないだろうか?

 また、今後の日本において求められる人材は、自らの責任においてあえてリスクに挑戦する、自立型プロフェッショナル人材であると述べている。言い換えると、先の見通しが難しい状況において、自らの見識によって、信念をもって技術開発を推進できる人材が求められているのである。


■  技術経営の成果重視経営への挑戦
70〜80年代に日本はどのようにして発展したか,その間アメリカはなぜ停滞したのか,そして90年代アメリカはどのようにして復活を果たしたのか,この失われた10年と言われる間に日本は何をしていたのか,というようなことについて,具体的なエピソードを交えて書かれており,非常に興味深い.個々のエピソードは読み物としても楽しめる.

本書の主題は,MOT経営は既に限界を示しつつあり,次の技術経営のあり方を論じることにある.ポイントは,「技術がよければ売れるという時代ではない」と言うことであろう.これからの技術経営は,非技術的な要素を十分に考慮する必要があり,そのための人材育成が必要であると説いている.

近年,日本の技術者は元気が無い.理由はいろいろあろうが,利益重視,コスト重視の経営の問題は非常に大きいと思う.成果主義の導入により,技術者たちは短期的な成果を追い求める傾向があり,それでも納得できる状況にない.本書にも,「給与や報奨金だけが必ずしも研究開発のモチベーションとは言い切れないが,この点でも日本企業の研究者は必ずしも魅力ある職業になっていない.」とある.確かにそのように思う.権威ある先生にこのように言っていただけるのは非常にうれしい.私は,本書を「技術経営の成果重視経営への挑戦」と読んだ.


■  MOT入門書でなく、巨視的な経営パラダイムの考察
題名から受ける印象とはちょっと違って、読後の感想は「これは、MOTの入門書ではない。巨視的に考察した、大きな経済文明の考察と、今後のパラダイムの考察」という内容だという印象でした。

つまり、「技術経営」というテーマ真ん中にして、論理を展開しながら、その実、内容としては、日本的経営の栄光と挫折、米国型技術経営の栄光と陰りを、歴史的な考察と、多数の企業の実例、東洋と西洋、民族論、文化論、風俗習慣、さらに経済環境、経済的な歴史、企業戦略、経営戦略、ビジネス教育などを駆使して、驚くほど様々な観点と具体例を交えながら、次にくる技術経営、または、ビジネスモデルの枠組みを考察した良書です。両著者の博識には驚嘆してしまいました。

新書というコンパクトな顔をしていますが、盛り込まれている内容と課題は、おなかいっぱいになります。

巨視的な話を展開し、最終章では、日本の経営のあるべき姿、経営者のあるべき姿、さらに、プロフェッショナル人材に関する提言、人材育成、キャリアパスの革新など、日本が元気になるための提言で締めています。

各章の最後には、参考文献も掲載されており、今後の勉強に役に立つのですが、MOTの勉強か?といえば、そういう参考文献ではなく、もっと巨視的な考え方を学ぶための文献と思ったほうがいいと思います。

本書には、中国語の入力システムにまつわる話がでてきますが、これもおもしろい。また「現場」の代表として本田宗一郎の手の話も出てきますが、こういった話が、大所高所の話に混じって、随時紹介されるところも、本書の魅力です。


 
 
 
 
  
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