| 題名から受ける印象とはちょっと違って、読後の感想は「これは、MOTの入門書ではない。巨視的に考察した、大きな経済文明の考察と、今後のパラダイムの考察」という内容だという印象でした。 つまり、「技術経営」というテーマ真ん中にして、論理を展開しながら、その実、内容としては、日本的経営の栄光と挫折、米国型技術経営の栄光と陰りを、歴史的な考察と、多数の企業の実例、東洋と西洋、民族論、文化論、風俗習慣、さらに経済環境、経済的な歴史、企業戦略、経営戦略、ビジネス教育などを駆使して、驚くほど様々な観点と具体例を交えながら、次にくる技術経営、または、ビジネスモデルの枠組みを考察した良書です。両著者の博識には驚嘆してしまいました。 新書というコンパクトな顔をしていますが、盛り込まれている内容と課題は、おなかいっぱいになります。 巨視的な話を展開し、最終章では、日本の経営のあるべき姿、経営者のあるべき姿、さらに、プロフェッショナル人材に関する提言、人材育成、キャリアパスの革新など、日本が元気になるための提言で締めています。 各章の最後には、参考文献も掲載されており、今後の勉強に役に立つのですが、MOTの勉強か?といえば、そういう参考文献ではなく、もっと巨視的な考え方を学ぶための文献と思ったほうがいいと思います。 本書には、中国語の入力システムにまつわる話がでてきますが、これもおもしろい。また「現場」の代表として本田宗一郎の手の話も出てきますが、こういった話が、大所高所の話に混じって、随時紹介されるところも、本書の魅力です。 |