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 天下無双の建築学入門 (ちくま新書)
天下無双の建築学入門 (ちくま新書)
 
¥ 777
発売日:2001-09
筑摩書房
オススメ度:
通常24時間以内に発送
 


 


■  都会人には難しいかな
 「建築学入門」というよりも、「床」とか「畳」とか、建築の諸要素にまつわる薀蓄エッセイみたいな感じです。建築探偵でおなじみの藤森照信氏の著書ですので、基本的に解り易くて面白いです。

 ただ、文章ばかりの本ですので、ちょっと実物が想像しがたい語句もあります。と言うと単に自分に想像力がないみたいに思われるかもしれないんですけど、例えば「草葺き屋根の芝棟」で屋根のてっぺんに草が植わってる、とか言われても、マンション住まいの都会人には想像し難いってもんです。いちいちインターネットで実物の写真を検索するのも面倒ですし、これで解り易い写真でも一緒に掲載されていれば良かったのに、と思います。


■  著者ならではの面白い建築エッセイ集です
著者は建築史に関するれっきとした東大教授で、「タンポポハウス」に代表される建築家でもありますが、「建築探偵」シリーズを始めとして、建築の専門用語を使わずに、建築の面白さを、建築素人にも伝えてくれる文章家としても有名です。

この本も、オビには「気鋭の建築学入門」とあり、何やら難しそうに感じますが、そういう心配は全くありません。「柱」や「屋根」「天井」といった建築に関するものをネタにした著者ならではのユニークな観点からのエッセイ集というべき内容になっており、建築素人の私のような者でも、楽しめる本になっています。建築ファンだけでなく、面白いエッセイ集を探している人にもお奨めできる1冊です。


■  懐かしい気もします
タイトルに「学」とついていますが、難しいものではありません。
エッセイ集として気軽に読めるものです。

私自身は古い農家で生まれ育ったので、著者の説明する古い日本家屋の様子などは懐かしく読むことができました。また、お風呂が昔は蒸し風呂だったことについて語るくだりで、原因は湯船を水で満たすのが重労働だったこともあるだろうとの記述がありますが、ここのところでかつて祖父が井戸から水を汲んで風呂に入れていた様子を思い出しました。

逆に、古い日本家屋を知らない現代の人々にとっては、ちょっと異文化に触れるような感じになろうかと思います。しかし、これも日本人が気候風土に合わせて作り上げてきた合理的な智恵の塊ですので、知っておく価値はあると思います。

そしてなにより、私が懐かしいと感じることについて、最後の「人は何故建物を求めるのか?」に素晴らしい解説があります。


■  お気軽な建築学入門書
筆者の著書には大別すると「硬め」のものと「軟らかめ」のものがあるが、これは後者の方である。そして、筆者の著書のおもしろさは特に後者に顕著であると思われる。大学教授の、特に建築や都市計画の分野の先生が書く文書は一般の読者からすると難解なものが多いのだが、おもしろおかしく、読みやすく、もっと言えばここまでくだけた文章を書ける大学教授もそういないのではないか。特に建築に日頃関わりのない人でも気軽に読める建築学入門書である。

 
 
 
 
  
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