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ケインズ―“新しい経済学”の誕生 (岩波新書) 
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 ケインズ―時代と経済学 (ちくま新書)
ケインズ―時代と経済学 (ちくま新書)
 
¥ 735
発売日:1995-06
筑摩書房
オススメ度:
通常24時間以内に発送
 


 


■  すごい本だ!!
「インドの通貨と金融」は東洋経済の全集がでてからずっと家にあるが、何回読んでもよくわからなかった。30年近くもほおっておいた事になる。書かれている内容もわからなかったが、そもそもインドの金融を論じる意義がわからなかった。
この本を読んだらスッキリ理解できたした。
金本位制、金為替本位制などは、純粋理論上の産物ではない。
当時の大英帝国の決済パターンが基礎にあるからこそ、英国は金本位制が有効なのであり、同様に英国治下のインドでは金為替(ポンド)本位制が有効だといいたかったらしい。
国際金融論は、現実および歴史を無視して語ってもあまり意味がないらしい。
本書を読んで感じたのは、そうしたことだった。

■  伝記かつ理論入門書。
経済学部という学部で何年間か勉強した中で、もっとも楽しく、興味深く読めた一冊。
ケインズの自伝的内容と学術的功績を理論の簡単な説明を交えてしてしまっているところは、他の一般理論入門本ができなかった部分である。

他のレビュアー様方も書いている通り、経済学の理想的な入門本だ。
極めて良書といえるだろう。

■  理想的な経済学入門書
ケインズの人柄や彼の生きた時代のイギリスの状況などの描写という伝記的な面と、ケインズの著作に関連した基本的なマクロ経済学・国際金融の解説というテキスト的な面が絶妙にマッチした素晴らしい啓蒙書です。通常のケインズの解説書とは異なり、『一般理論』以外のケインズの著作に紙面をかなり割いている点も特筆に値します。経済学を学び始めた学部生、あるいは経済に興味のある高校生などに特にオススメできる一冊です。
以下は本文中に引用されているケインズの有名なセリフ。

「経済学の研究のためには、非常に高度な天賦の才といったものは必要ない。経済学は哲学や自然科学に比べればはるかに易しい学問といえるだろう。にもかかわらず優れた経済学者は非常に稀にしか生まれない。このパラドックスを解く鍵は、経済学者がいくつかの全く異なる才能を合わせ持たなければならない、という所にある。彼は一人にして数学者であり、歴史家であり、政治家であり、哲学者でもなければならない。個々の問題を一般的な観点から考えなければならないし、また抽象と具体を同時に兼ね備えた考察を行わなければならない。未来のために、過去に照らし、現在を研究しなければならない。」

最初にこの文章を見た時は衝撃でした。このケインズの言葉が研究者の卵である自分にとって未だに重要な教訓となっています。


■  ケインズの発想、考え方に触れられる
筆者の吉川洋氏は現在、東京大学大学院の教授だが、内閣府経済財政諮問会議の議員でもある。

本書の『一般理論』の章読んで感じたことを三つ挙げる。
1.乗数理論とは要するに「テコの原理」であること。
2.現代の日本に望まれているのは「アニマルスピリット」ではなかろうか。
3.「流動性選好説」を理解するには、現場の債券トレーダーの立場が最善であること。

どれもわかり易い説明で感じ入る。


■  実践者ケインズ
 現代において、ケインズは、「需要が供給を決定する」といういわゆる「有効需要の原理」を確立した経済学者として知られている。もちろんこれはこれで偉大な業績であるが、本著を読むと、こうした業績はケインズの偉大さのほんの一部分のみであることを思い知らされる。

 つまり、ケインズは、象牙の塔に住む学者ではなく、イギリス経済が激変する中にあって、その時々の経済問題に対し積極的に提言を行う実践者であった。本著を読むと、彼の生きた時代にイギリスが直面した失業、インフレ、通貨制度選択といった諸問題に対する彼の分析や提案を通じ、ケインズの実践者としての偉大さが伝わってくる。

 私自身、大学・大学院を通じて経済学を学んだが、経済学の数理化・タコツボ化のせいか、学者の多くは、経済学自体には詳しいが、現実の経済問題に対して地に足の着いた分析をしようしない「経済学」学者となっているようにも見受けられる。是非とも、理論家としてのケインズのみならず、リアリストとしてのケインズからも多くを学んでほしいものと、自戒の念もこめて思わずにはいられない。


 
 
 
 
  
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