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 男流文学論 (ちくま文庫)
男流文学論 (ちくま文庫)
 
¥ 966
発売日:1997-09
筑摩書房
オススメ度:
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■  小説が読めるのか?
ページをめくれば舌鋒鋭く、ある種の快感とともに読み進めるが、タイトルに反して男性性、女性性に対する視点が欠落しており(本人たちはあるつもりなんだろう)、男を語る部分がそのまま女性に跳ね返りうるることに気づいていない。

だがなにより疑問なのは、俎上に載せられた「男流作家」たちのラインナップだ。上野千鶴子氏はあとがきで「論じるねうちのある作家」だけを取り上げたと書いているが、その「ねうち」が保証されうるのは甘めに見つもっても谷崎潤一郎と小島信夫だけ(好き嫌いは別にして、村上春樹や島尾敏雄の小説にどう「ねうち」を見いだすというのか)。この本が出たころといえば、高橋源一郎や島田雅彦がもっとも輝いていた時代。彼らを取り上げることができなかった時点で、論者たちの(小説を批評する人間としての)限界が見えてしまっているというべきだろう。


■  小説を読めるのか?
ページをめくれば舌鋒鋭く、ある種の快感とともに読み進めるが、タイトルに反して男性性、女性性に対する視点が欠落しており(本人たちはあるつもりなんだろう)、男を語る部分がそのまま女性に跳ね返りうるることに気づいていない。

だがなにより疑問なのは、俎上に載せられた「男流作家」たちのラインナップだ。上野千鶴子氏はあとがきで「論じるねうちのある作家」だけを取り上げたと書いているが、その「ねうち」が保証されうるのは甘めに見つもっても谷崎潤一郎と小島信夫だけ(好き嫌いは別にして、村上春樹や島尾敏雄の小説にどう「ねうち」を見いだすというのか)。この本が出たころといえば、高橋源一郎や島田雅彦がもっとも輝いていた時代のはずだ。彼らを取り上げることができなかった時点で、論者たちの(小説を批評する人間としての)限界が見えてしまっているというべきだろう。


■  論にあらず
作家の選択が恣意的であると同時に、井戸端文学論・井戸端社会学の域を出ていない。社会学者や女性学者はこうやって小遣い稼ぎをしているのだという好例。
これによって、欲求不満を解消する女性読者はいると思ったが、だからどうなのか?
学術的にやるなら、男女双方の作家を正当な手続きをもって抽出し比較するのが常識のはず。
私個人は時代小説や古い作品を良く読むが女性作家も多い。
彼女らには、時代小説を書く女性作家はどう写るのか気になるところである。悔しかったら源氏物語を論じてみなさい。

■  逃げるね
男性は逃げますね。逃げなかったらおかしい。
なんせ女性作家の本なんて殆どの男性は目にはいらないのですから。
ましてや本書となると。
男性の、特に特殊な職業「作家」さんたちの女性の種類は「夢の女」と「過去の女」の二種類しかないのかなあ。不思議です。
唯一、高橋源一郎氏だけが本書を褒めていたのが印象的です。

■  < しょせんあなた達は「男流」にすぎない >
単行本が出たのが10年前なこともあり、一般的な読者にとっては、ここで取り上げられている「男流」達は村上春樹を除いてあまり「今」の人たちではありません。でも世間では傑作扱いされている沢山の「男流」作家作品に描かれている、女性のありように対し、「何コレ?」「こんな女性いるわけないでしょ」「勝手にこんな女性像を押しつけないで」、とシラけた経験のある女性にとって、胸のすく思いがする本です。

 
 
 
 
  
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