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雨・赤毛 (新潮文庫―モーム短篇集) 
お菓子と麦酒 (角川文庫) 
劇場 (新潮文庫) 
世界の十大小説 (上) (岩波文庫) 

  
 
 コスモポリタンズ (ちくま文庫―モーム・コレクション)
コスモポリタンズ (ちくま文庫―モーム・コレクション)
 
¥ 998
発売日:1994-12
筑摩書房
オススメ度:
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■  ストーリーテリングの手際はお見事
「月と6ペンス」で有名なサマセット・モームの短編集。
1920年代に書かれ、コスモポリタン誌に連載された掌編たちである。
雑誌側の都合で、見開き2ページにすっぽり収まり、しかも挿画スペースを残したうえで読み切れる長さの小説を、しかも読者を楽しませるに十分なプロットを備えた小説たちを、当時売れっ子だったモームにオーダーが来たのであった。
で、モーム先生、見事にそのオーダーに応え30篇を残した。
人によっては、ショートショートの嚆矢ともいう。
しかし、ショートショートというコトバから受ける「ひねりの利いたプロットの軽いオハナシ」(ショートショートの定義は、必ずしもそうした固定的なモノではないが)といった印象をあてはめるには、本書の掌編たちはあまりに格調が高い。
20世紀初頭のいささか古色蒼然たる小説作法に則った作品ばかりとはいえ、読者を牽引する「面白さ」を限られたスペースに過不足なく盛り込んだストーリーテリングの手際は、「お見事」という他ない。
最近店頭で平積みされているモームの連作スパイ小説?「アシェンデン」ともども「モーム再び」って感じですかね。■

■  大作家モームの卓抜な人物描写に脱帽
 ひょっと出くわして「これはまた傑物であるなあ」と目を丸くするようなそんな人物を、ささっとスケッチして見せてくれた小品集。シニカルでウィットの利いた人物描写、これが小気味よかったですね。大体が十頁〜十数頁の短篇でありながら、作品によっては実に印象的な人物肖像画となっていて、舌鼓を打つ面白味を感じました。

◎首飾りが活躍するスリリングな一場を挟んで、その前と後で、マックス・ケラーダ氏の印象ががらりと変わる・・・・・・「物識(ものしり)先生」
◎題名にもなっている女の本性が、語り手の<私>の観察を通して次第に浮かび上がってくる・・・・・・「ルイーズ」
◎ホテルのレストランで、たまたま一緒に食事をすることになった女。エリザベス・ヴァーモントというその女の人物像が生き生きと、魅力的に描かれた・・・・・・「約束」

 アメリカの『コスモポリタン』誌に、1924年〜1929年頃に掲載され、1936年にまとめて刊行された30の掌篇。なかでも鮮やかで、くっきりとした印象が残ったのが、この三つの短篇でした。

 ただ一点、訳文が日本語としてこなれていなかった、所々で妙な地名や言い回しが出てきたのが残念でしたね。1962年(昭和三十七年)、新潮文庫として刊行された際の訳文ということもあり、そろそろ、生きのいい新訳で読んでみたい気がしました。

■  人生のスケッチ
現在も発行され続けているアメリカの雑誌“コスモポリタン”にモームが発表したショート・ストーリーの数々。 モームという作家は、例えば(やはり短編の名手)ポーのように、溢れる詩才でこの世を超越した夢幻の美を描く−という才能は乏しかった人ですが(これは本人が自伝で認めています)、自分が実際に見聞した人々の人生を素材にして面白い小話を作る、という方面に抜群の才覚を発揮しました。 これはその代表的作品集です。 私の好きな作品を挙げてみると−冷静な観察者モームが時折見せる情熱者へのあこがれ“弁護士メイヒュー” ほのぼのとしたユーモアがいい“幸福者” 素朴だが深い味わいの“漁夫の子サルヴァトーレ” オチが効いている“詩人” ひねくれ人間の一つの典型“ルイーズ”などですが、勿論人によってまったく別なお薦め作品が選ばれるであろう事は言わずもがなです。 それほど一つ一つの作品としての完成度が高いと思います。

どちらかといえば、机に向かって集中して読む−というよりは、旅の空で汽車や船の待ち時間、あるいはホテルや街のカフェで一休みしながら一つ一つ味わっていく−という洒落た読み方がふさわしい一冊ではないでしょうか? 私自身、旅に出るときは必ず持って行きたい本です。

■  あじわい深い
モーム氏の短編小説にはじめて触れることになって、出会ったのがこの一冊。 それぞれのおはなしを読み進めていくうち、おもしろさがどんどんましていきました。 読むごとにあじわい深く、読み終えたときには心地良い充実感に満たされます。 短編なのでちょっとした待ち時間などに読むのもきっと楽しいと思います。ぜひ、おすすめの一冊です。

■  うまい!うますぎる。
どの短編を読んでも結末にうならされてしまう。うまい!うますぎる。登場人物には故郷を離れて植民地に暮らす人々が多く、故郷と辺境との間に揺れ動く人間が数々のエピソードを勝手につくりだし、モームは記述しているだけのような短編集。でも、そのエピソードをかぎ出す嗅覚が作家なんだろうな。一つ一つの短編からは人間のやさしさや狂気が感じられるけど、全部読み通すと「故郷ってなんなのだろう。」と考えてしまいます。

 
 
 
 
  
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