| あなたが今見つめているものは、おそらく、パソコンのディスプレイ。 「そんなの当たり前。誰にだって同じように見えているでしょう。」 そんなあなたに「そうでもなさそうですよ。」と語りかけてくるのが本書であろうと私は思います。 「右」や「左」とは、私たちが捉えた視覚情報(映像)を誰かに伝えたり、何かに書き記したりするためだけにある、ただの「道具」なのでしょうか?本書での答えは「No.」。「左右」というような表現は、私たちの視覚情報の受け取り方、そしてその記憶の内容を、ある程度規定しているのではないか、と解釈しうる実験の結果が、本書には登場しています。つまり、「左右」という言語表現があるから、私たちは「左右」という基準で物事を捉えているのではないか、という仮説が打ち立てられているのです。 本書では、他にも「言葉が私たちの思考を規定している」という考えを裏付けるような実験が多数載せられています。ページ数、字数は比較的少なく、実験の説明には図も用いられており、<言語人類学>の門外漢にも、とっつきやすい作りになっています。 |