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 連合赤軍「あさま山荘」事件―実戦「危機管理」 (文春文庫)
連合赤軍「あさま山荘」事件―実戦「危機管理」 (文春文庫)
 
¥ 540
発売日:1999-06
文藝春秋
オススメ度:
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■  戦後の歴史の一面を知るために
浅間山荘事件に至るまでのよど号ハイジャック事件や警察戦国時代とまで語られる、その他学生運動を含む事件の数々とその関係を知ることができた。また、三島事件にも立ち会っており、本書に書かれた血染めの絨毯の逸話には旋律が走った。

佐々氏の半ば愛らしさが漂う文章は、硬くなりがちな題材にいささか感情移入しながら読めるのでなかなか読みやすい。

あくまで警察側に属した佐々氏の目線であり、その連合赤軍が結成するルーツや学生運動が何故起こったかまでは言及されていない。しかし少なくとも浅間山荘事件の全貌をある側面から知ることができ、事件に興味のある方は一読の価値ありだと思う。

■  この事件で終止符が打たれた
大学の2年生だったと思う。釘付けで見ていた。なんともいえない気持ちで見ていた。あのような活動家になりそうな学生が回りにそこそこいた時代である。人質が救出されて、彼らが逮捕されて・・このあたりまではなんともいえない空虚さがあった。そのあとリンチ事件が発覚して急速にこの革命ごっこは終焉を迎えてしまった。この本はその空虚さを取り扱った本ではない。今となればどうやってテロリストをやっつけ、人質を救出するかをテンポ良く、まるで映画のようである(映画化されましたけど・・)。余談になるがこの事件の犯人の1人の実家(当時は旅館)が大津市のさるところに今も空き家となって残っている。時々前を通る時がある。気のせいか36年の風雪に耐えて何かを訴えているかのようにみえる。

■  読みやすくて面白い
 文体が簡潔で読みやすくて面白いです。当時はまだ物心ついたばかりで、テレビに映し出される鉄球や、それを興奮して見ていた大人達のことをなんとなく覚えていたのですが、この本で何が起こっていたのかよく分かりました。
 徹底して警察、それも中央のキャリアの視点から書かれており、県警や一般警察官、連合赤軍の観点は一切入っていません。おそらく、意識してあくまで当時の著者の視点からぶれないように書いているのだと思います。私はそれで良いと思います。むしろ、相互(警察と赤軍)の情報がお互いに無いと言うことが、過剰な相手への反応になるのだと考えさせられます。 妙に食べ物の話がリアルで美味しそうなのが、著者の食べ物に関するこだわりを垣間見せてくれます。
 多少自慢めいた感じもなくはないのですが、著者の年齢とキャリアを考えると、抑制が効いている方だと思います。

■  これでは当時が理解できない
あさま山荘事件については、これまで当事者の発言?が余りにも少なかった。そういう意味では、包囲した警察側の『内実(実際には関係者からの批判や疑問も少なくないらしい)』を明らかにしたものとして評価はできるかもしれない。

しかし、単純にあさまに立てこもった若者たちをテロリストと断罪するだけでは、事件を把握することはできない。もちろん警官の命や健康が奪われたことを肯定してはいけない。しかし、許されざる行動をなぜ彼らが取ったのか、それには背景が確実に存在する。9.11の事件だって同じである。

罪を憎んで人を憎まず、余りに犠牲の多い事件であるが故に、こうした言葉は虚しく感じられるかもしれない。しかし、犯罪を理解しなければ、恨みの連鎖をとめられないのではないだろうか?

■  忘れてはならない事件
 あさま山荘事件といえば、史上最高のテレビの視聴率を記録したということと、鉄球で家を壊す場面しか知らなかった自分にとっては、この本に書かれている内容は衝撃的であった。現場の警察官の人たちの苦労、犯人たちの非道さ、「踊る大走査線」を地でいく苦労が多い現場と的外れな指示を出すだけのキャリア組の確執など、事細かに書かれている。危機管理を実践していくためには、やはり過去の大事件である「あさま山荘」事件を風化させてはならないし、さらに尊い命を犠牲にすることとなった内田警視長と高見警視正の名前をいつまでも語り継いでいかなければならないと思う。

 
 
 
 
  
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