着物の似合う女流文人というと、幸田文、宇野千代、宮尾登美子が3本柱だろうか。 幸田文は東の着物、宇野千代は無勝手流、宮尾登美子は西のきもの、とそれぞれ別のジャンルを代表しているのが興味深い。東では着物をぞろぞろ着るのははやらない。誰にもわかるようにしなを作るなんてのは、下の下。日頃は女々しい様子なぞ見せず、大切なひとにだけ見せるのが良いのだ。 着物の柄もしゃんとした、どこか風を切る感があるものが好まれる。 西のきものは、やわらかい。 年はとっても女は女、というか、女性であることをアピールすることが当り前の風土で育った衣装、と見える。 大樹によりそい、まきつき、大樹よりも日にあたり、見事な花を咲かせる藤の花のようだ。 宮尾登美子さんは、土佐の花町近くの生まれ、芸妓の卵何人もと起き伏しを一緒にしていたそうだ。 柳葉色に白いけしの花、紺色に白い冬牡丹など、めりはりがあり、写実的な草花をモチーフにしたきものが多い。またそれらの色や布をあらわす言葉の豊富なこと! きものだけの写真が多いが、帯や草履など小物を組み合わせて見せてくださると、もっと参考になるだろう。 |