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| | | 見知らぬ場所 (新潮クレスト・ブックス) |
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待望の三作目 |
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| ジュンパ・ラヒリはやはり短編(訳者によると中篇)の名手です。
「停電の夜に」でこの作家に魅了され、次の「その名にちなんで」も読みましたが、この三作目を読み終えた今、やはり短編が素晴らしい!と思います。
彼女の作品の登場人物は大抵がベンガル人で、コルカタからアメリカに移住した家族。マサチューセッツに住む知的階級の人々。そのパターンは一作目から変わらないけれど、今回は異文化の中で葛藤する第一世代から、アメリカ育ちの第二世代の物語に移っている。強い絆で結ばれていた若い家族が、年を経てそれぞれの世界を持ち、あるいはこの世を去り、互いに存在が希薄になっていく。家族とは人生の通過点にあって永遠ではない。どの家族にもある日常から心のひだを描き出す。ジュンパ・ラヒリのさらに成熟した世界に浸り、読み終えるのが惜しいと思う。
後半の「ヘーマとカウシク」は連作となっている。
幼なじみの二人が再会する「一生に一度」。母を失ったカウシクの物語の「年の暮れ」。そしてローマでの偶然の再会からふたりが恋人となり別れる「陸地へ」。
偶然の出会いと言い結末と言い、下手をするとお手軽になりがちなところだが、その静かで知的な語り口で違和感はない。「年の暮れ」の中でカウシクの母を恋う心が切なくて泣けた。長い間待ったこの三作目。期待通りの出来に満足しています。
最後に、翻訳である事を忘れさせるような小川高義氏の訳も良かったと思う。 |
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