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| | | カリスマ―中内功とダイエーの「戦後」〈上〉 (新潮文庫) |
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壮絶すぎた人生 |
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| 人肉をあい喰らうような地獄のフィリピン戦線からの奇跡的生還。
肉親も戦友も国家もだれも信用できない男の、闇市からの徒手空拳での出発。
あまりに壮絶すぎる人生。凄すぎです。
「いくらで売ろうが人の勝手」メーカーからの仕入れ妨害との対決、新規出店への妨害、地元商店街との対決、兄弟との確執。公取、大店法。気がつけば日本最大の流通帝国の総帥となっていた男の火のような人生を描いた巨編。
こんな男にバブル崩壊後の守りに入った時代に適合しろというほうが無理だ。結局ダイエーはワンマン経営のあげくに強烈な組織崩壊・機能不全となり致命的な経営危機に陥ってゆく。
執筆時期がダイエー再建迷走期であったため、産業再生機構入りして実質上の破綻状態となった後のダイエーと中内氏の顛末が物足りないのがなんとも惜しい。(文庫版は若干加筆されている。また若干毛色の違う作品として「戦後戦記」がある)
おまけに本作では中内氏は著者(佐野氏)がカッコイイ伝記を書いてくれると期待していたらしく、最初は全面協力を約束しておきながら、途中で佐野氏を名誉毀損で告訴するというオマケまでついています。(本当のことを書いただけだと思うが)
中内氏の伝記としてはもっとも濃いものなので中内氏がモデルとされる故・城山三郎氏の古典的名作「価格破壊」ともどもおすすめです。
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ダーエーの成長と衰退史を 佐野氏が鋭く分析 |
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| 大手スーパー「ダイエー」を一代で築いた 中内氏の幼少期からバブル崩壊後の不況また社長交代時の株主総会まで、色々な取材をもとにまとめたノンフィクション。
ダイエー成長していく中で、中内氏のまわりには非常に力のある人物がいたことが分かる。。また、ダイエーが落ちていった背景を佐野氏が鋭く考察している。考えさせるられることの多かった1冊です。 |
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中内功をそこまで駆り立てたものは何だったのか…(上巻) |
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| 佐野眞一は経済学者でも評論家でもない。その人物を突き動かしたものは何かという、合理的には説明がつかない人間の情念みたいなものを炙り出そうとする作家である。
だから、この作品の主題はあくまでも中内功である。ところが、彼とダイエーは一心同体であるため、結果的に彼を描くことが同時にダイエーの歴史を描くことになっているのである。更に、ダイエーの流通革命とその周辺を描き出すことが戦後流通史の鳥瞰図になっている。そう考えると人間として中内功はやはり凄い人間である。
著者は中内のすべての原点はルソン島で生死境をさまよった戦争体験にあると確信している。言ってみれば「負」の力であろう。その「負」の力が大き過ぎるが故に、ダイエーは膨張し続けるしかなかったのである。中内功がいなければダイエーの成功はないはずである。そして、中内功がいなくならなかったからダイエーは破綻したのだろう。
下巻には、単行本には書かれていなかった、中内が退任し新体制に移行する前後のダイエーの動きが加筆されている。大きすぎて潰せないと言われたダイエーも‘04年は産業再生機構入りし名実ともに破綻した。これにより戦後最大の成功経営者は戦後最大の経営失敗者の烙印を押されてしまったのである。そして全てを失った中内も’05年に死去する。その間の動きは著者が編著した「戦後戦記(‘06年6月発売)」に記されているのだが、ダイエーを追われた後の中内の姿は無残ともいえる寂しいものであった。
彼は経営を退く際に「40年間、何も楽しいことはなかった」と発言して物議をかもした。やはり、彼を突き動かしていたものは、著者の確信するとおり戦争体験だったのだろうか。質量ともに圧倒的であり佐野眞一らしい作品であり傑作である。
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