| おなじみ十津川警部は、月1回程度、血なまぐさい職場から離れ、心身をリフレッシュさせるため、ふらりと旅をする。今回向かう先は、ゴールデンウィーク明けの京都。 宿泊した祇園の旅館で、美しい中にも寂しい雰囲気を漂わせた美女と同宿となる。微笑ましくも、その美女に気を惹かれる。 以前、化野念仏寺で石仏に関心を持った十津川は、その奥にある愛宕念仏寺を訪れる。さまざまな表情の石仏と向き合っていた時、子供の顔をした石仏をじっと見つめる、同宿の美女の姿に気付いた。 次に十津川が向かったのは、北嵯峨の尼寺・直指庵。ここは、「想い出草」というノートが置かれ、女性を中心に、悩み事を書きこむ人が多い。ここで彼女とまた会った。十津川は、彼女が残したメッセージを読む。それは衝撃的な内容だった・・。 物語は京都案内さながらに、貴船、湯の花温泉、清水寺、鴨川、そして夏の祇園祭を舞台にテンポよく展開する。 行楽シーズン、京都へ旅行する前に、ぜひ読んでいただきたい。特に、表題にもある嵯峨野エリアは、人力車や竹林、渡月橋など、絵になる風景の多いおすすめのエリアである。 |