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 自動車絶望工場―ある季節工の手記 (講談社文庫)
自動車絶望工場―ある季節工の手記 (講談社文庫)
 
¥ 580
発売日:1983-09
講談社
オススメ度:
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■  2008年秋葉原通り魔事件について
下記は、ある雑誌の取材にたいして、鎌田慧氏がコメントした内容である。

「私がルポを書いた1970年代より劣悪である。季節工には家賃や光熱水費が無料の寮が用意されるが、派遣は有料である。食うのが精いっぱいで、収入が減れば家賃も払えず、追い出される。下流社会にも“格差”が生じている」

秋葉原で17人を殺傷した加藤智大は、派遣社員として自動車部品工場で働いていた。月収約20万円から、5万円もの寮費が天引きされていたという。加藤を雇っていた会社の部長は『必要なときに必要な人材を、がうたい文句。毎日が戦争。1人でもタマを送りたいというのが本音です』と語っていたらしい。

全国のネットカフェや24時間営業のファーストフード店には、職を失った派遣労働者が寝泊まりしている。“絶望”である。

■  超名著。手に入る限りは読むべき。
内容は他の方が書いている通り、トヨタの季節労働者のお話。
半端ではない厳しい労働状況が報告されている。
心理描写が巧みであるし、生々しく、フィクションであるかのように
ノンフィクションの話が展開される。

文章の書き方も巧みであるし、本としての構成も巧み。
内容も、あの絶好調のトヨタの足元に一体何があるのかということを教えてくれる、
社会というものについて考えさせられるすばらしい本。
まだあと10年以上はその価値を保ち続けると思われる。

■  若手ライターよマネしてみては
このルポが発表されたのは30年以上も前のことである。
ところが,アウトソーシングと名前を変えた非正規雇用はいまも拡大を続け,「絶望工場」の様相は深刻化する一方である。「工場」にはフリーターや外国人,低所得者層があふれ,二極化が進む根源にすらなっている。そして,それはトヨタだけに限らず,本田,キヤノン,シャープなどの超優良国際企業においても,連綿として続けられているのである。そう考えるとこのルポが社会に何らかの影響を与えたとは言い難いのかもしれない。

いまだにこの本がジャーナリズムを目指す若者の必読本に上げられるのは,鎌田慧に続くルポライターが育っていないことの現われであろう。鎌田はすばらしいルポライターであるが,もうそろそろ一線を退いてもよい年齢である。ところがいまも現役でバリバリ作品を発表している。
マネでもいいではないか。「液晶絶望工場」とか「ケータイ絶望工場」「デジカメ絶望工場」「中国絶望工場」なんか発表するような若手ライターが現れないものか。

 
 
 
 
  
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