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 進化論という考えかた (講談社現代新書)
進化論という考えかた (講談社現代新書)
 
¥ 756
発売日:2002-03
講談社
オススメ度:
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■  進化論を考え直す
 進化論の現在について分かりやすく紹介した著作。学界での最新の研究動向が手軽に理解できるということで有用だ。著者は科学史家で、啓蒙的な意図から書かれた入門書が多い。そのなかで本書は、やや抑えた筆致。以前の著作に批判もあったことから、慎重に書いていることが伝わってくる。そのぶん、切れ味は鈍くなったか。

■  真摯だ。しかし、いささか甘い気が…
 わたしは進化論という考えかたにウサンくささを感じていた。というより、人間心理や社会規範までも進化論で説明できるとするその自然主義にである。しかし、本書の後半部は私の疑念に真摯に答えようとしている。
 本書は4度の転換点をもつ現代進化論の変遷史を概説する。そして、人間と情報をキーワードに諸問題を整理し、変遷史の根底にある「自然選択」という考え方を浮き上がらせる。後半は進化論の考え方の説明というより、その考え方を使う上での注意書きである。
 後半が真摯だという理由は、科学言説の物語化に相対主義を持ち込まないところである(前半で自然選択の普遍性を提示している以上、それも当然なのかもしれない)。
 ちょっと難をいえば、悪しき物語化(ヒットラーの優生学利用など)への処方箋として、物語手の集団の雑種性(第三の文化)と語り手のセンス・オブ・ワンダーを使うというのは、いささか甘い気がする。

■  「ダーウィニズムはアルゴリズムである」に尽きますなぁ!
進化論の歴史は概念拡張の歴史でもあり,これは数学が数の概念を自然数から整数,有理数,実数,複素数,超実数と拡張してきたのとよく似ていて,一度くびきを放たれたら近代的知性とはこのようにばく進できるものなのだという威力を示してくれる.進化論の場合,その本質は「中立でランダムな変異と,その変異と環境との相互作用により決まる自己増殖率の差異に基づく淘汰」というアルゴリズムである.本書最大の功績はこのアルゴリズム性をくどいまでに強調していることと言ってよい.

このアルゴリズムは強力で,その強力さに恐れをなした反対勢力の攻撃は今でも続いているが,もはや勝敗は明らかであろう.私にとってはこのアルゴリズムは汎用性のある宇宙的原理とさえ思える.ところが伝統的な西欧的知性にとっては,明確な因果律に基づかないランダムな変異というものはいかにもいかがわしく,そこが最も嫌われるのだろう.しかしこれは西欧的知性の歴史経路依存性によるものである.

ダーウィン進化論をすでに知っていて,ランダムな変動という物理現象になじみがある人には素直に読み進められる.


■  知的冒険の序章
進化論とその隣接学問の、過去から現在、そして将来を論じています。言葉遣いも非常に平易であり、何気なく買って読んだのですが、非常に分かりやすいものでした。
進化論に関しての完結した入門書というよりも、進化論をより理解するための橋渡しと、進化論を根底において他の領域へ知的冒険をするための序章という位置づけの本と捉えました。

■  「進化論を使った知的冒険」
 タイトルが悪い。なぜなら「あとがき」に「進化論をおもしろく紹介するというよりも、進化論を使って知的冒険を展開してみたかった。」と書いてあるとおりの本なのだが、そんなの読む前にはわからないからである。僕は、このタイトルを見て「進化論をおもしろく紹介してある本だろう」と思って読んだこともあって、進化論の歴史について書いてある第1・2章は面白かったけど、あとはちょっと・・・・・・。全体として何というか、わかる人には当然のことばかり書いてあり、わからない人にはピンとこないことが書いてある本、という印象を受けた。

 
 
 
 
  
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