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ダイイング・アイ 
使命と魂のリミット 
赤い指 
聖女の救済 
流星の絆 

  
 
 夜明けの街で
夜明けの街で
 
¥ 1,680
発売日:2007-07
角川書店
オススメ度:
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■  0901 ざっと読めた。考えるものはあった。 トリックは・・・
多くの方が書かれていることとかぶるが、東野作品の読みやすさは納得。主人公の人間くささ。刺激を求める部分や、冷めていく気持ち。失う怖さ。ほっとするずるさ。一つ一つがなんとなくわかる気持ちだけに、やっぱり人間描写がうまいなあと思った。

主人公の女性の性格形成や、男と出会うまでの生き方など少しずつ描写をしていてそのままそれほどに処理されていないことも多かったように思う。
トリックは途中からなんとなく読めてしまったところもあった。

それでも面白かった。

■  最高傑作か?
東野作品が好きで、はまってしまった読者としては帯に「これは最高傑作」なんて書かれていたら手にとらないわけにはいかなかった。だが、今回は最高と評するにはよほど物足りない。不倫をテーマに中盤までありきたりの情事とイベントに追随した恋愛模様が描かれる。やがて女が本気になると男はしりごみしてくるのだ。「男は優しいのではない、ずるいのだ!」と読める辛辣なメッセージにはゾッとするし、中年男性が恋に夢中になる様は滑稽で、実にリアルだ。

だが、秋葉という女性の魅力がちっとも伝わってこなかったから、主人公に肩入れして物語を読めなかった。秋葉は殺人事件の容疑者というハードルの高い特異な人物なのだから、心根がよほど丁寧に描かれていなければ、物語に感情移入できない。例えば、重要な手がかりを話終えた後で、気絶して、それは演技だったの。と持っていかれては乱暴な気がするし、実に白けてしまう。

東野作品に登場する女性達はどうして、こうも嫌なのだろう。理知的で、男性よりいつもうわてをいき、自己犠牲に徹する。描かれた女性達に人間臭さがないのか、はたまた綺麗すぎるか―、「理想的な女」がいかにも形骸化してみえる。

■  読む人により感想が変わる
これは、ミステリーと思って読むと期待はずれになると思う。
ごくありふれた妻子持ちのサラリーマンが、彼の勤める会社に派遣社員としてやってきた女性と恋に落ちる話。
2人の出会いも、不倫の恋も、これといって特別に変わったことはなく、言い換えれば誰にでも起こりそうなこと。
だからこそ物語に入り込みやすかった。

東野作品の良さはキレイごとがないことであると私は思うのだが、
これもものすごく純粋な不倫(恋愛)を書いているのに、そこに男の狡さ、女のしたたかさ、強さ、
そういうものもちゃんと入れ込まれてあり、なるほどその通りといちいち納得しながら読んだ。
結婚に夢見てる女性にはお勧め出来ない作品かもしれない。

■  ラストはちょっと…
 中年で妻子持ちのサラリーマンが、同僚の女性と関係を持つ。しかも彼女は、殺人事件の容疑者になってしまう。
 不倫などすべきではない―そんなことはみんな分かっている。しかし、している当人たちは真剣なのだ。世界には、いろいろな形の夫婦がある。一夫多妻制もそのひとつだ。女性はどうか知らないが、少なくとも男は同時に複数の女性を愛することができるのだろう。不倫。その意味は、道徳から外れることらしい。しかし、部外者がそれを責められるだろうか。万引き、自転車泥棒、キセル乗車…すべて犯罪であり、道徳から外れる行為だが、たいていの人は、1回ぐらいしたことがあるのではないだろうか。また、キリスト教では悪事を行わなくても、そのことを考えるだけで罪になると主張する。ならば、われわれはすべて罪人であり、不倫をしている人間を非難することなどできない。問題はただひとつ、周りの人間を傷つけてしまうということだ。
 人はどこまで人を愛せるのか―この作品の投げかける問いは、根源的で、重い。親子の愛や、夫婦の愛とはまた違う。不倫の愛。社会的に許されないことだけに、よけいにその愛情は強いのかもしれない。しかし、その相手が殺人事件の容疑者だとしたら、それでも愛し続けることができるだろうか。著者は問い続ける。
 東野作品らしく、ラストにはちょっとした仕掛けがされている。ただし、それが読者を満足させるかどうかは疑問であるが。

■  「東野作品最高傑作」と評する人もいるが・・・
 決してつまらないわけではない。自分はまだ未婚なのでわからないが、既婚者や不倫経験者が読むとうなづいてしまうだろう、と思う。だから、不倫をテーマにしたことは悪いとは思はない。しかし、この作品はラストが弱いのだ。
 東野作品を読んでいると驚きのあまり声を出してしまうことが、珍しくないのだが、本作品に限って言うと(ないわけではないのだが)弱かった。そして、他作品ではよくある騙された感じも弱かった。他作品のレビューを読んでいると、「『夜明けの街で』が東野作品最高傑作」というのを見かけるが、少なくとも自分はそうは思わない。

 けっして面白くないわけではないのだが、かといって特別面白いわけでもない。サザンオールスターズの「LOVE AFFAIR 〜秘密のデート〜」が好きな人が読むと面白いかもしれない。

 
 
 
 
  
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