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 ソクラテスの弁明・クリトン (岩波文庫)
ソクラテスの弁明・クリトン (岩波文庫)
 
¥ 483
発売日:1964-01
岩波書店
オススメ度:
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■  田中美知太郎訳より読みやすいが、、、(--;)
 某所でのディスカッションのネタとして、先に角川文庫で田中美知太郎訳『ソークラテースの弁明・クリトン』を読んでから、参考のために本書も読んで見た。

 活字も大きいし、訳文も本書の方がずっとこなれた会話体で確かにこちらの方が読みやすいと思う。

 ただソクラテスの言ってる主張には納得できない所が多かった。 例えば、彼は死について全くの無かあの世があるか、のどちらかしかないと言う。そこまでは良い。だが「全くの無」を「夢も見ない熟睡」に例えるのは、詭弁である。人が「熟睡」を有り難がるのは、いずれ目が覚めるからである。目の覚め無い熟睡を望む者は少ないだろう。
 又、ソクラテスは「あの世では歴史上の偉人や文豪と会って話ができるのが楽しみだ」と言ってるが、「あの世」で彼らに会えると何故信じるのか不明。孤独な「あの世」かも知れぬのに。

■  心揺さぶられる言葉
ソプラテスの不運の様を悲しく思うとともに、無実の罪と思う罪名で告発され、懐柔されることなく、自分の主張を「命をかけて」、言い放った。
そこにはアテナイ人としての誇りを持っている。

■  無知の知
青年を堕落させる悪しき人物として裁判にかけられたソクラテス。本書ではその裁判でのソクラテスの弁明が記述されます。デルフォイでの神託にて、ソクラテス以上の賢者はいないと言われるが、それが何故なのかと自ら問うと、どうやら賢者として名高い人たちは、知らないことを恰も知っている風に装うが、自分は何も知りはしないが、知っているとも思っていないからであった。 以降ソクラテスはこの心構えを青年であろうと老人であろうと無報酬に説いてまわる。メレトスは間違った理由で裁判を引き起こしたが、実際はソクラテスに師事を受けた者たちは、ソクラテスを応援する為に席に出たのであった。しかしながら、僅かながらの差で、ソクラテスの死刑が決まってしまう。それに対してソクラテスは、死を恐れるが為に不正をしないという信念の下、自然と結果を受け入れる・・・。

本書では、ソクラテスの執拗なまでに真理を突き詰め正義を求める徳の高さに感動しました。自らの信念の下に正しいことを言い放ち、社会的に公認されている政治家の虚偽性を暴いていく姿には共感しました。高校の時の世界史の知識だけで、ソクラテスは青年を堕落させた人物だと勝手に思い込んでいましたが、それは裁判を起こす側の公な理由付けでしかなく、事実は真逆であったということが、本書にて明らかにされ、これこそ哲学書の原書を読む醍醐味だと得した気分です。現実にも、実際に不当な理由で正しい人が悪い人として淘汰される件は良くあると思います。仮に自分がそのような立場に置かれた場合、ソクラテスのように、他者から虐げられようとも、自らの正義を貫き通せるだけの強い芯があるのであろうかと、自問される想いでした。入門書としても、繰り返し読むにも、耐える一冊です。

 
 
 
 
  
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